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千両梨 せんりょうなし 身不知(みしらず)
大柄な、西洋梨の形をした梨。
導入初期に、北海道の余市郡余市町で広まったようです。
他府県での栽培は、点在状態です。
入手は、北陸の知り合いが栽培していたものを入手。
食べ時は、皮色が黄緑色。
すでに食べごろなので、入手後は早めに食べましょう。
今となっては、ずいぶん大人しい、素朴な味わいですが、どことなく懐かしさも感じられます。
【 来歴 】
似た姿ですが、西洋梨ルーツではありません。
明治時代に導入された、中国由来の梨「鴨梨(ヤーリー)」の偶発実生と言われています。
変異したのは、北海道のようで、明治時代のこと。
大正時代は「身不知(みしらず)」と呼んでいたようです。
「身の程知らずな程、たくさんの実がなる」ことが、「身不知(みしらず)」の名の由来とか。
その後、いつしか「千両梨」の名で定着しました。
豊産な点が魅力で、一気に北海道で広まったものの、需給バランスが崩れて、思いのほか安く売られる結果となっています。
と同時に、生産する魅力も乏しいことから、栽培者も少なくなって、いまでは「幻の梨」になっています。
北海道では10月中旬ごろからが入手時期のようです。
北陸では、9月の終わり頃入手できました。
【 この梨の特徴 】
軸まわりに、茶色いサビが出ます。
見た目は、完全に洋梨。
でも、果肉は、和梨のような性質。
果皮色ですが、さらに熟していくと、黄色みのある皮色になるようです。
果肉の質も、サクサクから、やわらかな感じに変わるようです。
ただ、本来の楽しみ方は、黄緑色の果皮色の時点。
しばらく放置してみて、後日感想を記録したいと思います。20240923
【 たべてみた 】
比較的大柄なものの重さを測ってみます。
700gほどありました。
縦に半切りして、皮むきをしてみましたが、おしりの所がデコボコで、皮むきしにくいです。
洋梨のように、ヌルヌルしないので、普通にりんご剥きしたほうが楽かもしれません。
種の周辺は、ジャリジャリした石細胞。
芯の部分も、なんだか洋梨に似ています。
甘味は感じられますが、今時の強い甘味とは違い、大人しい印象。
糖度を測ってみます。
香りはほぼ感じません。
酸味も、とくに強くありません。
果肉は、堅いとはいえず、ほぐれやすくて、粗い印象。
多汁。
残暑時期であれば、しっかり冷やして楽しみたい梨でした。