甘太　　かんた　　

晩生梨で、日持ちが良いだけでなく、食味も良好。
近年の「夏の猛暑」で、この品種に注目が集まっています。
似た名前の「甘太くん」は、サツマイモブランド名。

【　品種登録情報　】

この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Pyrus pyrifolia (Burm. f.) Nakai var. culta (Mak.) Nakai　（和名：ニホンナシ変種）
登録品種の名称 甘太　（よみ：ｶﾝﾀ ）
登録年月日 2015/03/03
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 （305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1）
・・・果実の大きさは大、果皮の色は黄緑、果点の大きさは小、果点の粗密はやや粗、・・・果肉の色は白、果肉の硬さは軟、果肉の粗密はやや密、果実の甘味は高、果実の酸味は中、果汁の多少は多、種子の大きさは大、種子の形は卵形、開花始期は中、成熟期は晩、自家和合性は無、裂果の発生の有無は無である。 　出願品種「甘太」は、対照品種「豊水」と比較して、がく片の宿存の強弱が強であること、果皮の色が黄緑であること等で区別性が認められる。対照品種「新高」と比較して、がく片の宿存の強弱が強であること、果皮の色が黄緑であること等で区別性が認められる。

育成者の論文がでています。
ニホンナシ新品種‘甘太’
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010927728.pdf

晩生梨には、食味が良いだけでなく、日持ち性が良いという特徴があります。
しかし、晩生品種は全体の14％程度と、比較的少ない状況。
また、晩生に多い、果肉の堅さについて改善を目指したとあります。

1998年、「王秋」×「あきづき」の交配をおこない、2006年一次選抜。
2013年に出願され、2015年品種登録に至っています。

また、近年の「夏の猛暑」で、この品種に注目が集まっています。
強い日照による「煮え果」や「みつ症」の被害が近年増えています。
「甘太」は、「新高」に代わる　果肉障害が少ない品種として再度注目されそうです。

入手は、苗を購入し育てたという地元の梨農家さんからでした。
収穫するタイミングがよく判らなくて困っているとこぼしていました。
二重袋がけをすると、サビが少なく外観は綺麗ですが、そのせいで収穫適期を逃すのかもしれません。

関連情報
豊田加茂農林水産事務所農業改良普及課　原 良将氏
ナシ「甘太」の栽培特性と普及に向けた取組
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/481118.pdf

新しい品種には、何かと苦労が伴うものだなと思いました。

【　食べてみた感想　】

当該品は、青みがかった茶色の外皮。
おそらく二重袋かけの個体なのでしょう。
500ｇオーバーになるようですが、この個体は350ｇくらい。

しゃり感が強く、とてもジューシーな印象。
ジュースはかなり甘く、豊水などよりずっと甘いなと感じました。

香りがあって、鼻から抜ける感じが心地よいです。

柔らかい印象がありますが、噛むと崩れやすい性質のようです。

多汁で食感が楽しく、とても甘味を感じる、美味しい梨です。

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