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はるあいか 愛媛果試第48号 紅プリンセス 202603TX
カテゴリ:くだもの
「紅まどんな/あいか」と「甘平」の交配という、なんとも豪華絢爛な取り合わせです。
まさに いいとこどり。
愛媛県でなければ出来ない荒業です。
これで美味しくないはずがない!
「紅プリンセス」と「はるあいか」の食べ比べもしてみました。後述。
ファイル名:48-tx.jpg
紅プリンセス 愛媛果試第48号 はるあいか
交配は2005年。
2022年に品種登録されるまで、実に17年の歳月を要しています。
2025年あたりから、市場に出てきているようです。
入手時(2026.03)では、選抜品の「紅プリンセス」は結構お高いお値段で、一般のスーパーに出回る程の量は無いようです。
「紅プリンセス」の名と、「はるあいか」の両方の名で市場に出ています。
「紅プリンセス」は、愛媛県の商標。
「はるあいか」は。全農の商標。
この問題は、「紅まどんな」程ではなくても、引きずりそうな印象です。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 愛媛果試第48号 (フリガナ:エヒメカシダイ48ゴウ )
出願年月日 2019/04/04
登録年月日 2022/06/09
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所 愛媛県 (790-8570 愛媛県松山市一番町四丁目4番地2)
・・・果実の形は短卵形、果頂部の形は平坦、果頂部放射条溝の有無は無、果頂部の凹環の有無は無、・・・果心の充実度は粗、果心の大きさは極小、果実の重さは重、果皮の色は橙、油胞の大きさは大小混合、油胞の密度は中、・・・果面の粗滑はやや滑、果皮の厚さはやや薄、果皮歩合は小、剥皮の難易はやや易、じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は橙、果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無、発芽期は中、開花期は中、成熟期は中である。 出願品種「愛媛果試第48号」は、対照品種「愛媛果試第28号」と比較して、果心の大きさが極小であること、成熟期が中であること等で区別性が認められる。対照品種「清見」と比較して、果実の形が短卵形であること、果皮の厚さがやや薄であること等で区別性が認められる。対照品種「天草」と比較して、果実の形が短卵形であること、成熟期が中であること等で区別性が認められる。
育成経過等について、愛媛県庁に文献のリンクがあります
愛媛果樹セ報告 「カンキツ新品種 愛媛果試第48号 について」
https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/2258.pdf
うんしゅうみかんや、伊予柑の栽培が下火になる一方、「甘平」「せとか」など高級柑橘が大幅に栽培面積が増加する中で、今までにない食味や食感の新品種を追求した、とあります。
育成地で例年2月下旬に糖度14程度まで上昇すること、無核(たねなし)だが周囲には墳の多い受粉樹があると種が入ることがある ということです。
【 「愛媛果試」の登録 】
親品種にあたる、28号の「紅まどんな」は良く知られています。
おさらいとして、一旦「愛媛果試」第●●号 で農水省に品種登録されいているものを列記します。
出願番号 品種名称 登録年月日 流通品名 の順
(記載のないものは特に流通品種名がありません)
11714 愛媛果試第16号 2002/09/04
11715 愛媛果試第10号 2002/09/04
13579 愛媛果試第14号 2004/11/08
15522 愛媛果試第28号 2005/03/23 紅まどんな/あいか
33840 愛媛果試第48号 2022/06/09 紅プリンセス
いずれも出願者/育成権者は 愛媛県 となっています。
16号は、温州みかん種で、あとは、カンキツ属Citrus L.に分類されています。
ちなみに、「愛媛果試第28号」は、「南香」×「天草」。
「愛媛果試第48号」は、「紅まどんな」×「甘平」の交配。
つまり、第28号の直系子孫ということになります。

「甘平」も、市場で絶大な人気の柑橘。
人気者同士のマリアージュ。
なんとも豪華キャストではあります。
【 商標 「紅プリンセス」と、「はるあいか」の違い 】
先述のとおり、2つの通り名で販売されています。
「紅プリンセス」は、愛媛県の商標。
「はるあいか」は。全農の商標。
ちなみに、「愛媛果試28号」では、もっと沢山の名前が乱立して困った事になった過去があります。
「紅まどんな」「あいか」は全農、元はJA全農えひめの登録商標でした。
実は、そのほかにも、商標登録が相次ぎ、市場が混乱しました。
中には、ダジャレ的な名前もあって、面白くはありますが、消費者にとっては「よくわからん」という結果になってしまいます。
くわしくは、拙文 「あいか」を参照ください。
https://tikuwapop.com/sozaiDetail.php?num=1412&words=28%E5%8F%B7
そのためか、「愛媛果試第48号」の流通名「紅プリンセス」は、愛媛県の登録商標(2020/04/09)。
JA系では「はるあいか」で商標登録(2025/02/17)しています。
糖度12度以上、酸度1.2%以下の基準をクリアしたもの、外観良好なものが「紅プリンセス」を名乗ることができます。
年度によって基準となる数値は変動するかもしれません。
参照 愛媛県 「愛顔のえひめ(令和7年3月号)」
https://www.pref.ehime.jp/page/102054.html
つまり、「はるあいか」は、選抜をスルーしたか、その基準に満たなかったと言えます。
どの位違うのか、気になりますよね。
食べ比べてみたいと思います。
【 両方比べて 食べてみた印象 】
「紅プリンセス」と「はるあいか」が、バスケットに並んで売られていました。
ちなみに、「紅プリンセス」は、「はるあいか」ほぼ倍ちかい価格!
入手した、「紅プリンセス」と、「はるあいか」。
どれほど違いがあるのか、実際に食べてみたいと思います。
「紅プリンセス」の重さは、ほぼ300g。

手に持ったときの重量感もあります。
はるあいかは、250g前後でした。
どちらも、たっぷりした果実感。
外観上は、頭のところがわずかに尖ったような形状になるようです。
まずは「はるあいか」。
皮は、薄いので、ナイフを入れるとサックリ切れます。
断面からは、たっぷりのジュースが溢れてきます。すごい。

複数個食べましたが、種は全く無いようです。
手で皮むきしてみます。
頭のほうから剥いていきます。

案外簡単で、皮がブチブチと千切れるようなことは少ないです。
果肉は丸々として、柔らかさが伝わってきます。
左右にゆらすと、プルプルした感じがして、ゴム風船にジュースを入れたような感覚です。
食べてみます。
柑橘らしい良い香りとともに、甘味がひろがります。どちらも強い主張。
ジューシーさもたっぷり。
のちに、鋭い酸味が広がって、口の中で徐々に混ざり合うような感じです。
楽しい おしくらまんじゅう状態です。
果肉はあくまでプルプルと柔らかく、驚異的なほど。
何の抵抗もなく、口の中で潰れていき、大量のジュースを放出。
一般の柑橘ではあまり無いような体験かもしれません。
じょうのう膜も、驚異的に薄いです。なのに、破れない絶妙さ。食べても存在が気にならないほど。
たまたま、手元にあった「中間母本農6号」と「はるあいか」は、味自体は少し似た印象があります。
「中間母本農6号」は、分厚い皮で、エグミやうす皮の厚みがありますが、甘さ香り酸味の濃厚さを洗練した味わいが、「はるあいか」と似ているように思いました。
「中間母本農6号」については、拙文を参照ください。
https://tikuwapop.com/sozaiDetail.php?num=1500&cat=2
「紅プリンセス」を食べてみます。
たっぷりの果汁感や、とてもプルプルした、やわらかさは同じです。
食べてみると、案外おとなしい印象が残りました。
おいしくて、バランスが良い印象。
「はるあいか」と比べると、酸味は鋭く感じられません。
甘くてジューシーで、酸味が少ない。
当たり前に美味しい。
個人的な意見なので、無視してけっこうですが、不満が無いという事が、物足りなさとして感じられたのかもしれません。
若々しく、はちきれるような感じとは違って、なかなかの「人たらし」を連想しました。
とろける果肉に、言いなりになる幸せ感。
ああ、王妃様💛
すべて おまかせします・・・
やわらかく、ジュースたっぷりの柑橘。
若々しい鮮烈な味わいの「はるあいか」。
熟練を経た人たらしの「紅プリンセス」。
悪く言っているわけではないので、申し添えたいと思います。






