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新興梨 しんこうなし
いわゆる晩生に分類される、赤梨。
地域差はありますが、10月から11月にかけ出回ります。
意外に、歴史のある品種の部類になります。
晩生らしからぬ、瑞々しく多汁でバランスの良い良食味梨で、大型。
いまも人気の品種として君臨しています。
【 来歴 】
話は戦前にさかのぼります。
新潟県農事試験場園芸部で生まれた、赤梨。
現在、「二十世紀」と「天の川」の交配と推定されています。
1932(昭和7)年から育成開始。
1941(昭和16)年「新興」と命名されています。
戦前からある、歴史ある品種です。
「新」 は 新潟から取られたのでしょう。
「興」 は、はじまる、立ち上がるなどの意味があります。
合わせると、新潟でおこった品種という意味かな と推察します。
栽培データについては、農水省の公開データでは、品種別「新興」は調査外のため不明です。
【 食べた感想 】
皮は厚みがあって食べられません。ごわごわとした皮。
長期保存可能で、冷暗所で1か月ほど日持ちします。
皮の厚みも、保存性に貢献しているのでしょう。
実もしっかりとした固さが感じられます。
かなり多汁で、切っているうちから、包丁がじゅるじゅるになります。
晩生の梨とは思えない、ジューシーさ。
皮むきはしやすいです。
サクサクとした食感ですが、ほぐれる感じではありません。
果肉がやや粗いという気もしますが、多汁なので、なかなか美味しい味わい。
甘さはほどほどで、糖度を云々する品種では無さそうです。
甘さのあとに酸味がくるが、これがとても心地よい。
そしてじわーっと消えていく。
甘さがしつこくなく、スッキリ、さっぱり感のある 梨です。
心地の良い酸味と甘みのバランスが良い印象でした。
この酸味は、長期保存すると抜けていくらしいです。
いずれ確認してみたいと思います。
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