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こうみつ
育成者の岡田光榮さんは、戦後の昭和24年、弱冠18歳の時に入植した開拓者。
矢吹町は、福島県中通り南部に位置します。
開拓者の意味がわからない方は、
戦後開拓 Wikipedia
を参照してください。
「こうみつ」の育成は昭和38年から。
スターキングデリシャスの実生から交雑を繰り返し育成しました。
品種登録までに実に38年を要しています。
その後、花粉親は「紅玉」であると特定されています。
ご本人に取材した記事があります。
矢吹町 アグリミュージアムプロジェクト実行委員会
フロンティア絶好調!ようこそ!日本三大開拓地、矢吹町へ(18)
https://yabuki-kaitaku.com/page-demo/frontiers-single18.php
兼業農家として苦労し、個人で品種登録する大変さを丁寧に答えている様子から、岡田さんの お人柄が伝わる良い記事です。
「こうみつ」は、長野・群馬・山形など各地で栽培されています。
似た名前に「こみつ(高徳)」があります。どちらも美味しいリンゴです。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 こうみつ (よみ:コウミツ )
登録年月日 2001/02/09
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 岡田光榮 (969-0222 福島県西白河郡矢吹町八幡町156)
この品種は、「スターキングデリシャス」の自然交雑実生から育成されたものであり、果実の外観が扁円、大きさが大、果皮を被う色が紫紅の育成地(福島県西白河郡矢吹町)では11月上中旬に成熟する晩生種である。・・・果実の外観は扁円、王冠及びがくの開閉は中、・・・果実の大きさは大、果皮の地色は黄緑、果皮を被う色は紫紅、被う色の強さは濃、型は縞不明、量は多、さびの位置は側面、量は無~僅か、さび状果点は有、・・・果肉の色は白、果肉の褐色化は中、硬さは硬、きめは粗、蜜の多少は多、甘味は中、酸味は弱、渋味は無、香気は多、果汁の多少は中、種子の形は倒卵、大きさは中である。・・・成熟期は晩で育成地においては11月上中旬である。結果の早晩は中、後期落果は無~僅か、普通貯蔵性はやや長い、冷蔵貯蔵性は長い、心かびの発生は無~僅かである。「スターキングデリシャス」と比較して、果梗が短いこと、成熟期が遅いこと等で、「ふじ」と比較して、果実の外観が扁円であること、果皮を被う色の型が縞不明であること等で区別性が認められる。
【 じっさいに食べてみた 】
山形県天童産の個体。
ずいぶん赤黒い感じの外皮で、正直なんか「どんくさい」感じの外観だなという印象。
おしりの部分にわずかにデコがあり、全体に丸い形をした大型の個体でした。スターキングデリシャスとは形がずいぶん違います。
果肉全体がやわらかい感じで、皮はやや厚めの印象。
切ると、蜜いっぱい(笑)。
実を噛むと、さくりと柔らかめで、ほぐれていきます。
他のリンゴとは食感にかなり違いがあります。
糖度は高いようですが、丸みのあるもので、微妙な変化球。
香りもあり、酸味はかなり少ないですが、悪くないバランス。
リンゴ感は少ないですが、とても個性的で面白いと思います。
パイナップル似という評もありますが、りんご感の少なさを何かに例えようとしたのでしょうが、酸味は極少ないので、パイナップルではないなと思います。
202109改