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青林 せいりん
岩手が育成地の、個人育種による晩生の黄りんご。
登録から30年以上経過しましたが、希少種扱い。
かつては岩手県内だけで栽培されていましたが、育成権が切れ、苗木も通販で入手できます。
規格外に甘いリンゴなのですが、なぜか栽培者は増えません。
「ふじ」「王林」と同時期に出てくるので、たしかに競争環境は熾烈。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 青林(よみ:セイリン )
登録年月日 1990/10/06
育成者権の存続期間 18年
育成者権の消滅日 2008/10/07 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所
小山田博 (020-0011 岩手県盛岡市三割1丁目13番13号)
井上通夫 ( 埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸2861番地16)
藁谷政男 ( 岩手県盛岡市山王町11番50号)
登録品種の育成をした者の氏名
井上通夫
藁谷政男
この品種は、「レッドゴールド」の交雑実生であり、果皮の着色は「王林」に類似しているが、果実の外観が扁円、大きさが320g程度で、育成地(岩手県西磐井郡花泉町)において10月下旬から11月上旬に成熟する晩生種である。・・・果皮を被う色は赤、強さは淡、型は縞不明、量は少である。さびの量は無~僅か、果点の大きさは及び密度は中、果皮の光沢及びろう質は中、・・・果肉の色は黄白、硬さは及びきめは中、蜜の多少は中、甘味は高、酸味は弱、渋味は無、果汁の多少は多である。・・・「レッドゴールド」と比較して、果皮を被う色の量が少ないこと、さびの量が少ないこと、成熟期が遅いこと等で、「王林」と比較して、果実の外観が扁円であること、果点の大きさが小さいこと等で、「ゴールデンデリシャス」と比較して、果実の外観が扁円であること、果実の大きさが小さいこと、果皮を被う色が赤であること等で区別性が認められる。
現在、花粉親は「ふじ」だとされています。
親の「レッドゴールド」は米国生まれで、蜜入りしやすい赤リンゴ。
花粉親の「ふじ」も赤リンゴですから、赤×赤→黄リンゴが生まれました。
「レッドゴールド」の種子親は黄リンゴの「ゴールデンデリシャス」(黄リンゴ)なので、その形質を受け継いでいるのでしょう。
【 じっさいに食べてみた 】
山形県東根市産のもの。「よってけポポラ」さんで入手。なぜか安くて、不安。
陽があたった所が、かなり赤くなる個体があるようですが、この個体は全体に黄色。
32玉くらいあるサイズ。
かわいいラベルが貼られていました。
開封すると、香りが豊かで、好印象。
黄りんごにも、蜜入りになる品種がありますが、この個体も蜜入りでした。
堅いという評もありますが、けっこう柔らかく感じました。個体差でしょうか。
甘さは、とても甘い。かなり甘い部類になります。
果汁も多く、ほおばると、濃厚な甘さと香りたっぷりで、満たされた気分になります。
酸味はほぼ感じられません。
口の中いっぱいに広がる甘さと香りを楽しんでください。