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こみつ 高徳
カテゴリ:くだもの
切ると「おおっ!」「ひゃあ!」と声がでちゃうほど見事な蜜入りです。希少。
蜜入りがおいしい とされる理由について農研機構がレポートを出していますので興味のある方はどうぞ
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/carc/061985.html
ファイル名:20210928.jpg
こうとく 高徳 こみつ
漢字表記で「高徳」として売られていたりしますが、品種登録名は「こうとく」。
「こうとく」の選別品である「こみつ」はJAが商標登録し、会員のみが使用できます。後述。
「こうとく」の差別化商品(選別等)は、ほかにもあるようですが、プライベートの域を超えないものと思われます。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。漢字ではなく、「こうとく」で検索してください。抜粋転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 こうとく(よみ:コウトク )
登録年月日 1985/07/18
育成者権の存続期間 18年
育成者権の消滅日 1997/07/19
品種登録者の名称及び住所 木村喬久 (042-0931 北海道函館市榎本町6番24号)
登録品種の育成をした者の氏名 木村甚弥
この品種は、「東光」の自然交雑実生で、果皮色は淡褐紅色で、「ふじ」より一回り小さく、果汁及び蜜入りが多く、少酸多甘型である。樹姿は中間型、樹の大きさ及び樹勢は中である。・・・果実の大きさは中で平均約270g、「東光」、「ふじ」より小さい。・・・果肉の色は黄、硬さは硬、きめは中、押傷のつき易さは中、蜜の多少は多、果汁の多少は極多、甘味は中(糖度14度前後)、酸味は弱、香気は多である。・・・「東光」と比較して、果形が異なること、果皮色が異なること、がくあが広く深いこと、果肉が硬いこと等で、「ふじ」と比較して、果実が小さいこと、果皮色が異なること、果梗が短く太いこと、成熟期が早いこと等で、「北斗」と比較して、果実が小さいこと、果皮色が異なること等で、「アンビシャス」と比較して、果皮色が異なること、果点が小さく密度が低いこと、蜜が多いこと等で区別性が認められる。
「アンビシャス」も、木村甚彌氏の育成品種。
【 木村甚彌(きむらじんや)氏について 】
「こうとく」は、木村甚弥氏の育成品種。
木村氏は、「アンビシャス」というリンゴも育成し、品種登録されています。1982年木村甚彌氏は逝去。のちも育成が続けられ、のちにいずれも木村喬久さんの名で登録されています。
登録申請者の木村喬久さんについては、よく判りませんでした。
木村甚彌氏は明治34年生まれ。昭和3年から青森県農業試験場園芸部(青森県りんご試験場)に勤務、昭和27年から45年まで18年間、場長として青森リンゴの発展に寄与します。
カビの一種モニリア病の対応、病害防除、作業性の良いわい性台木の導入など、一生をりんごに捧げた人物。平川市名誉市民。
「木村甚彌りんご顕彰会」が年に1回、リンゴ発展に貢献した人物を「木村甚彌賞」として表彰しています(昭和46~平成28 現在は中止)。
今に至る青森リンゴ発展に寄与した人として、今も尊敬されています。
【 こみつ について 】
青森県弘前市石川地区で構成した「こみつの会」会員だけが使用できる商標。
「こみつ」という名称で出荷しています。
2023現在、会員は約80名とのことです。
選果機を通し、一定以上の蜜入りが確認できたものだけを「こみつ」として出荷しているそうです。基準に満たないものは、「こうとく」として出荷されます。
商標情報以下。
商標登録第5067463号
【検索用文字商標(参考情報)】 こみつ
【登録日】 平成19年8月3日
【氏名又は名称】 津軽石川農業協同組合
津軽石川農業協同組合は現在合併し、JA津軽みらい となっています。
【 じっさいに食べてみた 】
青森県直売所で入手。「こみつ」と手書きされています。
きれいな果点と、不明瞭な縦縞のある、きれいなリンゴ。
そもそも、大きくなる品種ではないようです。
手に持った感じ。愛らしくて、かわいい大きさ。
「JA津軽みらい」のラベルが貼られています。
「こみつ」のほか、「高徳」「こうとく」として売られているものも、数件見かけました。
切ってビックリ、断面が見事な蜜入りになっています。
切ってみたものは、すべて蜜入りでした。
けっこうワクワクしてきます。
しかも、蜜入り度が段違い。
愛らしい外観に反して、ポテンシャル高そうです。
なるほど、口コミで広まったというのも、うなづける話です。
登録当時は、まだ高速ネット回線もなく、環境が違いますので、消費者に伝えるのには苦労されたと思います。
皮にはロウがあって、すこしベタベタします。
持った感じは柔らかいのかなと思ったのですが、食べると思いのほかしっかりと歯ごたえがあって、良い食感です。きちんとシャリ感もあります。
酸味はあまり感じられません。
香りは、あくまでも甘く、なかなか魅惑的で品のあるものです。
リンゴとは違った、トロピカルな感じの香り。
蜜の部分だけを食べてみましたが、やはり、この部分が特別甘いというわけではありません。
しかし、果肉全体がとても甘い印象。
かなり甘味の強いリンゴです。
皮は普通より薄く、種もとても小さいものです。
爽やかな香り、蜜入りで「幸福度アップ」の、かなり美味しい赤リンゴ。
香りと、味の良さ、食感、ビジュアル、すべてが詰まっていて、満足度がグングン上昇する、五感に訴えるリンゴでした。
202111 長野県産を入手。甘さと香り、総合点の高さは同じですが、かなり荒々しい、野性味あふれる味わいで、これまた美味しいリンゴでした。
と同時に、ホントウに面白いリンゴです。
202109改
202112改
202302改
202306改http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/carc/061985.html