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紅まどんな 愛媛果試28号
カテゴリ:くだもの
ファイル名:28-benimadonna20211010.jpg
すっかり高級フルーツとして認知されるようになった柑橘。
タンゴールの仲間です。
【 品種登録情報 】
農水省品種登録DBより抜粋し引用
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 愛媛果試第28号(よみ:エヒメカシダイ28ゴウ )
登録年月日 2005/03/23
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 愛媛県 (790-8570 愛媛県松山市一番町四丁目4番地2)
この品種は、「南香」に「天草」を交配して育成されたものであり、果形が短卵形、果実の重さが重、果皮色が濃橙の育成地(愛媛県松山市)では12月中旬に成熟するかんきつである。・・・果心の充実度はかなり粗、大きさは小、果実の重さは重、果皮の色は濃橙、油胞の大きさは大、密度は疎、凹凸は凸、果面の粗滑はやや滑、果皮の厚さは薄、果皮歩合は極小、剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は黄橙である。果汁の多少は多、甘味はやや高、酸味は低、香気の多少はやや多、種子数は少、胚の数は単胚である。発芽期及び開花期は中、成熟期はかなり早で育成地においては12月中旬である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性はやや短である。「南香」と比較して、翼葉の幅が広いこと、果皮歩合が小さいこと等で、「天草」と比較して、果実の形が短卵型であること、種子数が少ないこと等で区別性が認められる。
【 名前がいくつも出ている柑橘 】
登録品種名は、「愛媛果試第28号」。
この名前では、消費者に親しんでもらうには無理があるというものです。
一般的には「紅まどんな」で知られているこの柑橘。いろんな名前で出ています。
きちんと商標登録があるのが「紅まどんな」。
登録者は全農。ゼリーやケーキ等の加工品などの対応のため、のちに数回にわたって、登録されています。
青果用としての登録情報 以下転載。
出願番号:商願2006-40139
先願権発生日:平成18(2006)年 4月 17日
商標(検索用):紅まどんな
称呼(参考情報):ベニマドンナ,マドンナ,クレナイマドンナ,アカマドンナ
権利者 氏名又は名称:全国農業協同組合連合会
ちなみに
以前は、JA全農えひめの登録商標だったようです。
系統出荷(JAを通した正規出荷)の名前は2つあります。
◆「紅まどんな」
糖度酸度については毎年協議し決定
着色、果形、熟度、病害虫被害
良好なものは「赤秀品」として選別出荷。
糖度がこれだけ・・と表記するページがありますが、
JA全農えひめによると、毎年協議し決めているとのことで
固定の条件では無いようです。
◆「あいか」
上記に満たないもの
これ以外は、JAを経由しない、愛媛果試第28号ということになります。
では、それ以外の呼称について。
「媛まどんな」「瀬戸のまどんな」「瀬戸のマドンナ」「愛媛まどんな」「華まどんな」「愛まどんな」「瀬戸内のマドンナ」「大三島まどんな」「しまなみマドンナ」「スイートまどんな」「中島まどんな」「伊予のマドンナ」「紅どまんなか」・・・どうやら規格外や系統外出荷につけたオリジナルの愛称のようです。
こうなってくると、もはや何がなんだかわからなくなりますが、どうやら全て同じ品種。
「売れるネーミング」も結構ですが、消費者は混乱する原因となります。
【 特徴と印象 】
すっかり市場で安定した評価を得るようになった品種です。
少々高めの価格でも、美味しさが理解されていて、引きの強い果実です。
驚異のトロ感で、まるでゼリーのようなち密な果肉。じゅうぶんな甘さと強めの香り。
皮むきは難しく、クシ切りが一般的です。
ハウス栽培のみの柑橘です。露地では果肉が堅くなるようで本来の味にならないそうです。
12月中の、比較的短い期間だけ流通しています。
ハウスのみなので、見つけた時が買い時と思います。
タンゴールになります。おいしさの種類としては、オレンジというより、ミカンの美味しさに近いと思っています。オレンジ臭は少なく、ち密な果肉の甘いミカンという印象です。香りも、やや多い印象ですが、嫌みのないスッキリしたもので、好感がもてます。
果肉の充実度(密さ、ジューシーさ)という点では、ミカンとはくらべものにならないようなレベルです。
じょうのう膜も、非常に薄く、手で剥くと、しっかりとした形を保てず、思わぬところでビリビリと分かれます。
甘さならば、ほかにも品種はあると思います。
糖度が高ければ良いわけではなく、じゅうぶんな甘さで、総合的な満足度が高いという意味で秀逸です。
ちなみに。
2022年に登録された品種、「愛媛果試第48号」(通称:紅プリンセス)は、「愛媛果試第28号」に、「甘平」を交配した新品種です。
優良品種同士の組み合わせ。個性のぶつかる面白い組み合わせです。
本格的なは実販売は2025年ごろからとのことです。
なお、紅プリンセスは、すでに愛媛県が商標を取得しています。
202110改
202211