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サンむつ サン陸奥
昭和24年登録された「陸奥(むつ)」。
(母親)ゴールデンデリシャス×(父親)印度
青森県のりんご試験場生まれ。
大きくなる、3倍体りんご。
有袋栽培のものは、真っ赤になります。
ところが、無袋栽培のサン陸奥は緑っぽい黄色になるので、不思議です。
有袋栽培と、無袋栽培では、まったく別物に見える面白い特性を生かして、「寿」などのシールを貼ったりして、「絵文字」のある贈答りんごにも使われています。
もともとは、太陽をあびて育った陸奥が本来の黄色っぽい色になるものだと考えましょう。
有袋だと、本来の色ではなく、赤く染まるのだということです。
収穫の1か月ほど前に袋を外して、太陽を浴びるようです。
少々天候次第なところもあります。
最後まで袋掛けして栽培する、「シルバー陸奥」もあります
ひとつの品種なのですが、特性が違うって、おもしろいですね。
昭和の時代でしょうか、有袋の赤い「陸奥」だけが高値で取引されたようで、日焼けした陸奥は、悲惨な価格で取引されていたようです。
今では、多様性を認める時代。
良い社会に変わったといえます。
【 海外向け品種としての特性 】
とても大型になりやすい品種。400g程度で大きくなると1kgにもなる個体があるようです。
肩の張った、デリシャスに似た形状。
古くからある品種なので、今となっては、市場のウケは今一つですが、海外では評価されているようです。
とくに欧州市場は面白く(?)、「ふじ」「シナノゴールド」の評価は低いようで、外観で評価される傾向があるようで、小型のものも評価が高いようです。
一般に、欧州では緑や黄色い品種の評価が高く、逆に中国では赤い外観の品種しか評価されないようです。
確かに、米国のスーパーで売っているリンゴは、けっこう小型で、日本で見るようなリンゴとはずいぶん違っています。日本のリンゴ栽培技術は、特異な品質基準で出荷されているのかもしれません。
食後に、コロンと1個リンゴを出され、あまり大きなものでは、ちょっと食べきれないこともあって、小さなサイズが好まれる側面もあるようです。
戦後青森県産りんごにおけるゆしゅる構造の形成とその要因について
file:///C:/Users/owner/Downloads/RegionalStudies_7_95.pdf
少し古いのですが、国別の輸出動向/品種別がわかるものです。
陸奥の評価が上昇しているのが判ると思います。価格評価も高いです。
【 この品種の 味わい 】
味わいとしては、サン陸奥も、陸奥も、大きな差は無いように思います。
黄色いリンゴのほうが、一般に甘いです。
この原則は陸奥でも同じように当てはまります。
太陽浴びたほうが、やっぱ美味しいいんですね。
見た目で翻弄される部分もありますが、人間である以上致し方ないところです。
ずっしりと重量感のあるものを選びたいですが、あまり大きな個体だと、果肉が粗雑な印象があります。
全体に、ザックリとした粗めの果肉。香りもあって、多汁。
変色はしますが、すりおろしてジュースにするとまことに美味しいです。
日持ちはするほうですが、収穫から時間が経過すると、果肉が堅い印象から、柔らかで粗い印象になってしまいます。
残念なことに、未だにサン陸奥のほうが、市場評価が低いようで、価格が下落傾向。
状態が良ければ、ホントは美味しいんです。
見た目より中身で勝負なら、サン陸奥おすすめ。
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