トキ　　とき

土岐傳四郎（とき　でんしろう）氏の民間育成品種。
リンゴの名は、土岐（とき）さんの苗字が、そのまま使われています。
登録名はカタカナで「トキ」。
1985年から育成を開始。当時、土岐さんは既に59才。
登録出願（2001）まで16年かかっています。
開発最初は小玉ながら食味が良かった個体を、接木を繰り返し、大玉化に成功したそうです。

青森県のリンゴに功績のあった人物に、「青森県りんご対策協議会」は「木村甚彌賞」「澁川傅次郎賞」「青森りんご勲章」を設置しています。
土岐傳四郎さんは、第35回木村甚彌賞を受賞（2010）。
翌2011年、故人となられています。

当時、有望な中生種の黄リンゴが無かったことから一気に栽培面積が増加。
重要な品種を残した功労者です。.

沢山の人たちの弛まぬ努力が、実を結んでいることに気付かされます。
おいしい果実に感謝。

この品種の登録出願者は、株式会社原田種苗。
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【　品種登録情報　】

農水省に品種登録されています。抜粋転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill.　（和名：リンゴ属）
登録品種の名称 トキ　（よみ：ﾄｷ ）
登録年月日 2004/11/08
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
株式会社原田種苗 （038-1343 青森県青森市浪岡大字郷山前字村元42番地1）
登録品種の育成をした者の氏名　土岐傳四郎
この品種は、「王林」に「紅月」を交配して育成されたものであり、果実の型が円、大きさが中、育成地（青森県五所川原市）では10月上旬に成熟する中生種である。・・・果肉の色は黄、褐色化及び硬さは中、肉質は密、蜜の多少は無～僅か、甘味は中、酸味は弱、渋味は無、香気は少、果汁の多少は多、・・・「王林」と比較して、果実の型が円であること、果梗が長いこと等で、「きおう」と比較して、さび状果点が無いこと、果梗が長いこと等で区別性が認められる。

のちに、花粉親は「ふじ」の可能性が高いとされています。

【　じっさいに食べてみた　】

市場流通していた青森県の個体。36玉サイズ。
日焼けしたところが、うっすらとピンクに染まる個体。

堅いと言われる果肉ですが、食べるとほどけていき、とても良い感じ。
粗い果肉というわけではなく、密な印象。
酸味はほとんど無く、やさしい香りがとても良い。鼻をぬける香気が心地良いです。
香り自体に甘さを感じるような香り。そして適度な甘さ。
蜜入りになるようなリンゴでは無さそうです。

変色はありますが、おだやか。
全体に「さわやか」で、すがすがしさがあって、甘さにしつこさがありません。

食感が好印象。香りもよく、爽やかで、飽きの来ないリンゴです。
顧客の評価も高く、また食べたいという評をたくさん頂きました。
うれしいですね。

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