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天草
カテゴリ:くだもの
ファイル名:amakusa20211012_001.jpg
天草 天草みかん 天草オレンジ
(清見×興津早生No14)に「ページオレンジ」を交配した交雑種。
1993年品種登録。
現在の、果樹研究所カンキツ研究口之津拠点で育成されました。
「天草」の名前は、育成地から熊本県側の海上に見える「天草島」にちなんでつけたそうです。
【 品種登録情報 】
農水品種登録を抜粋転載 以下
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus sinensis (L.) Osbeck (和名:オレンジ種)
登録品種の名称 天草 (よみ:アマクサ )
登録年月日 1995/08/17
育成者権の存続期間 18年
育成者権の消滅日 2013/08/18 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は,(「清見」×「興津早生」)に「ページ」を交配した交雑実生であり,果皮色が紅橙で,果面が滑らかで果皮が薄く,育成地(長崎県南高来郡口之津町)において12月下旬から収穫できるかんきつである。・・・果実の大きさは大(200g程度),砂じょうの色は橙,大きさは小,形は紡錘である。果汁の多少は少,甘味は中,酸味及び香気は少である。発芽期は晩,開花期は中,成熟期は早で,育成地において12月下旬~1月上旬である。 「清見」と比較して,果面が滑らかであること,果皮の色が紅橙であること,成熟期が早いこと等で,「ページ」と比較して,葉身長が長いこと,果実が大きいこと等で,「南風」と比較して,葉の幅が広いこと,果実の外観が偏平であること,果皮の色が紅橙であること等で区別性が認められる。
「天草」は、「清見」の孫にあたります。
「清見」は減酸が遅いため、長い間樹に成らせる必要があるので、同系統で、早出しできる品種を育成したとあります。
親品種「T-378(清見×興津早生)」、アメリカ生まれの「ページ」ともに小型な形質。
また、「T-378(清見×興津早生)」は、「清見」の親が「宮川早生」で温州ミカンであることから、いわゆる「戻し交配」になります。温州ミカンの形質を強く残しています。
一方、赤橙色や糖度の高さ、食味の濃厚さは、「ページ」から受け継いだのでしょう。
家系図はこんなふうです。
【 食べてみた感想 】
皮はうすく見えるのですが、実際に皮むきしてみると、ブチブチと千切れます。
大きなサイズほど顕著で、小さなもののほうが、何とか手で皮むきできます。
頭の部分にナイフを入れると、さらに剥きやすくなるでしょう。
全体の印象は、ミカンというより、オレンジに近いという存在です。
果汁がたっぷりで甘いところは、オレンジらしい良さ。
香りも強く、心地よい。
全体のインパクトが強いですが、酸味が少ないと感じるところも、オレンジに似た印象です。
美味しさという点では申し分ないのですが、やはりミカンに慣れた日本民族。
皮をむいて、ポイッと口に放り込むという食べ方はしにくく、皮むきだけでも改良できたら、ものすごく普及するのだろうと思いました。
食べたあとには、手洗いが必須です。
心地よい香り、豊かな甘み、皮さえむいてしまえば、至福の時間。
完全でないというところも、ある意味良さといえます。
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