素材ダウンロード
ツルムラサキ つるむらさき 蔓紫 セイロンホウレンソウ 落葵(ラオクェイ、ツルムラサキ)
Indian spinach malaber nightshade
目:ナデシコ目 Caryophyllales
科:ツルムラサキ科 Basellaceae
属:ツルムラサキ属 Basella
種:ツルムラサキ B. alba
英語でmalaber nightshade と表記されます。
Malaberは、インド西の海岸で地名。Nightshadeは、ナス科のイヌホオズキ。
Indian spinach=「インドのホウレンソウ」という表現も、面白いですね。
【 来歴 】
東南アジア原産の植物。2000年以上前から食用となっていたようです。
紫色の茎をもつので、この名前がついています。
日本には、江戸時代には伝わっていました。
貝原益軒の「菜譜」等に食用としての記述が残っています。
ツルが緑色の種類は、緑茎種(青茎種)と呼ばれ、紫色は紫茎種(赤茎種)と呼ばれます。
紫種は、明治時代になって入ってきたそうで、「シンツルムラサキ」と呼ぶときもあります。
食用栽培が始まったのは近年のことで、1970年代からとのこと。
東北で広く栽培されていて、食味の良い緑茎系のものが夏野菜として登場します。
農水省 特産野菜2020年(R2) データ
福島、宮城で、ほぼ半分の出荷を占めています。
【 食べ方 】
葉は肉厚で、つる先から15cmほどを収穫して茎と葉を食べます。
青臭さ、土臭さがあるので、ゆでるなど、加熱して食べます。
ツルが緑色の緑茎種(青茎種)のほうが、食味が良いです。
加熱すると、ヌメリがでます。
この物質を「ムチン」と記述する記事がありますが、ムチンは動物性の粘膜質で、「植物性のものはムチンではない」、とするのが学術的見解だそうです。
食品としては、ハタハタやうなぎなどがムチンを多く含みます。
広報時には注意が必要です。
茎は熱の通りが遅いので、先に入れ、ゆで時間2~3分くらい。
ゆですぎは食感や栄養を失う原因です。
シュウ酸がふくまれています。アクの原因となるものです。
水溶性なので、茹でると除くことができます。
レンジ加熱は、アク抜きに向きませんのでご注意を。
おひたし、和え物、酢の物、汁物の利用が多いと思います。
土臭さや青臭さといった、癖のある味わいが人気という点、食べ物とは不思議なものです。
どうしても青臭さが気になる人は、中華炒めや、かき揚げで。
油との相性が良いです。
「つるむらさき」「ほうれんそう」「モロヘイヤ」の、茹でたもの100gの比較をしてみます。
食品成分データベース - 文部科学省 データを加工。
甲乙つけがたい、栄養成分です。
カルシウム、ビタミンCが豊富です。
【 その他 】
強健で、栽培難易度は低く、家庭菜園に向きます。
気温の上がる5月以降に種まきします。
浸水しておくと発芽しやすいです。
ほうれん草が穫れない時期に収穫できて、重宝します。
次々と長く収穫を楽しめるところも、うれしいポイント。
202202
202403改