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つがる 赤りんご
カテゴリ:くだもの
8月は避けて、9月になって入手したほうが良い印象。
ファイル名:tsugaru-apple20210928.jpg
つがる 津軽りんご
整理番号「青り2号」。
青森県りんご試験場(現在は青森県産業技術センターりんご研究所)生まれ。
品種名は平仮名「つがる」。
「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」の交配品種。花粉親が長らく不明とされましたが、弘前大学の調べで花粉親が「紅玉」と特定。
昭和50年(1975年)登録で、現在の農水省登録を検索しても出てきませんでした。
栽培面積は、「ふじ」に次いで、堂々の2番目に多い品種です。
早生品種の中でも、安定した美味しさで人気の品種。
早出しの傾向がありますが、未熟そうなものは味が乗っておらず、避けたほうが良さそうな印象です。しかし、後述する枝変わりつがるは、着色も良いので、外観で判断は難しいかもしれません。
8月には出回りますが、せっかくですから、9月まで待ったほうが良いと、個人的には思います。
有袋栽培「つがる」と無袋栽培の「サンつがる」がありますが、有袋栽培はとても減っているそうです。
袋掛けは、手間がかかるし、無袋のほうが太陽をあびて、赤みが強くなり、糖度も上がって美味しいので、市場受けも良いのでしょう。
商品価値を高めるために、色づきの良い枝を選抜し接木して、選抜を繰り返しているそうで、オリジナルの「つがる」とは限らないようです。構成比は判りませんが、見た目の良い枝変わりの着色系品種が主体になっているようです。
「ひらかつがる」「丸吉つがる」「つがる姫」「みすずつがる」「芳明つがる」「美光」などなど。
品種登録を確認しましたが、いずれも検索では出ませんでした。
販売上は、「つがる」「サンつがる」として売られるようで市場では特に区別されず販売されたりします。
販売現場では、実際には「つがるのオリジナル」とは限らないらしい、とだけ記憶しておきましょう。
「枝変わりつがる」については、杉山芬(かおる)さん著書
「青森県のりんご -市販の品種とりんごの話題-」初版 北の街社 / 改訂版 青森県りんご協会
に詳しいです。
HP「青い森の片隅から」でも閲覧できましたが現在閉鎖となっています。
【 つがる の生まれた経緯 】
「つがる」の生まれに関しては、元青森県りんご試験場長、一木茂さんのコメントが参考になります。是非ご一読ください。
弘果 りんご大学「一木先生のリンゴ講座」
https://www.ringodaigaku.com/play/ichiki/index_14.html
戦後の食糧難でお腹を空かせた、研究員職の後澤憲志さんが、うんざりする程りんごを食べた末、これはほんとに美味しいと思ったという「7不明」というリンゴがルーツだと回想しています。
つがるの命名について、当初「青り2号」「ゴールデン不明」「不明7号」など、仮の名で呼ばれていました。生まれは青森県ですが、長野県で早くから導入されていたので、品種名に「つがる」と土地の名をつけることには抵抗があったようです。
1974年には「つがる」名で販売されていたことから、なんとか話が落ち着いたようです。
本文も是非参照ください。
歴史の長い品種は、調べるほど枝葉があって、面白い小ネタが見つかったりします。
【 親品種としての 「つがる」 】
「つがる」が交配親となっている品種も多いです。優秀なんですね。
◆ 種子親
シナノレッド もりのかがやき 富香(とみか) 北の幸(さち)
◆ 花粉親
秋映 シナノスイート 未希ライフ 北紅(きたくれない) かんき HAC-9(ハックナイン) みちのく おいらせ
【 今も根強い! つがる人気 】
「ふじ」は、じつは世界でも、最も多く栽培されている品種です。
「つがる」は、国内収穫量第二位。
長期間 不動の2番手で人気の品種として君臨しています。
りんごの樹の寿命は、一概に言えないところですが、30年で老木、その後も手入れすれば50年も生き続けるそうです。
「つがる」の登場から約50年ほど経過しています。
今後、品種切り替えなど、どのような動向がみられるのか、注目したいところです。
余談。
最古木とされるリンゴの樹が青森県つがる市にあります。
青森県観光情報サイト Amazing
https://aomori-tourism.com/spot/detail_547.html
140年以上生きているということです。
青森県つがる市柏桑野木田千年225。天然記念物。
すごいですね。
【 りんご つがる の印象 】
9月上旬に入手したものです。
色づきは個体差があるところですが、程々に色づいた感じで、全体に大柄でまばらな縦すじがあります。
甘さと香りが強く、酸味は少なめです。果肉は堅めの印象。
でも、バランス良く感じられます。
ジューシーさも感じられ、きっとジュースにすると美味しいんだろうなと思いました。
購入時には、皮の表面にロウ物質は少なくても、ジワジワと油っぽくなるものが多いです。
早生品種の中でも、確実に万人受けする、優等生的なリンゴです。
そう、優等生的なリンゴという感じです。
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