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はるみ 春見
育成名 みかん農林12号。平仮名「はるみ」で品種登録されています。
おなじみの「しらぬひ(デコポン)」は、交配親が同じ組み合わせなので、「はるみ」とは姉妹関係にあります。
清見とポンカンF-2432の交配。タンゴールです。
育成は静岡県の果樹試験場興津支場。中晩生で、育成地では12月下旬に収穫し、1か月ほどで出荷されます。
清見は、柔らかで果汁も多く、オレンジライクですが、皮むきしにくいです。
一方、ポンカンは皮むきしやすいけど、乾燥などで変質しやすい。
良いとこをとったのが、「はるみ」です。
「清見」や「しらぬひ」よりも早く2月には市場に投入できるので、労力分散にも貢献します。
「はるみ」は、「あすみ」「あすき」の花粉親品種でもあります。
【 タンゴールとは? 】
タンゴールは、タンゴールは、「みかん」×「オレンジ」の交配。
タンゼロは、「みかん」×「ブンタン、グレープフルーツ」の交配品種です。
基本的な知識として覚えておきましょう。
【 品種登録情報 】
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 はるみ(よみ:ハルミ )
登録年月日 1999/11/25
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は,「清見」に「ポンカンF-2432」を交配して育成されたものであり,果形が扁球,果重が190g程度,果皮色が橙色で,育成地(静岡県清水市)において1月下旬に成熟するかんきつである。・・・果心の充実度は空,大きさは大,果実の重さはやや重,果皮の色は橙,油胞の大きさは小,密度は密,凸凹は平,果面の粗滑は滑,果皮の厚さ及び果皮歩合は中,剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟,さじょうの形は短,大きさは中,色は濃橙である。果汁の多少は中,甘味は高,酸味は中,香気の多少は中,種子数は少,胚の数は多胚である。発芽期及び開花期はやや晩,成熟期は早で,育成地において1月下旬である。隔年結果性は高,浮き皮果の発生は中,裂果の発生は無,その他の生理障害(す上がり)は少,貯蔵性は中である。「清見」と比較して,果頂部の形が陥没であること,果心の充実度が粗いこと,剥皮が容易なこと等で,「興春ポンカン」と比較して,果心の充実度が粗いこと,種子数が少ないこと等で区別性が認められる。
隔年結果性が強いとあります。表年とうら年が発生しやすいという事です。
浮き皮は大玉のものほど起きやすいようです。極大果は皮が厚く異常な外観になるようです。
【 食べてみた印象 】
入手しやすく、食べる機会も多い柑橘です。
「しらぬひ」と姉妹品種ですが、減酸(予措)が短い期間で終了するため、姉妹品種「しらぬひ」よりも一足早く出回ります。皮の厚みも、「しらぬひ」より随分薄いですね。
2月ごろのものが美味しい印象です。
かなり大柄なものも出回っていますが避けた方が良いとの評も見受けます。
状態次第なのではと思っています。
大柄でも重量感がしっかりある個体は、果肉が少し粗な印象もありますが、十分甘かったです。
さのうの粒も大きくなっていて、ジュースがたっぷり詰まっていました。粒々感があって、プチプチしています。大型なものならではの面白みです。
甘味ののち、酸味があって、ジューシーな味わい。
ポンカンのような香りがわずかにありますので、みかん的な味と少し印象が違います。
じょうのう膜も薄く、柔らかで、種はあっても少なく食べやすい美味しい柑橘です。
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