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デジマ じゃがいも
カテゴリ:やさい
発表からすでに50年経過していますが、いまだに人気。
ファイル名:dejima-potato20211105.jpg
デジマ 出島
登録番号 ばれいしょ農林19号。
昭和46年、長崎県総合農林試験場愛野馬鈴薯支場で育成し、登録されたジャガイモ。
いかにも長崎らしい、「出島」の地名を使ったネーミング。
それまでの主力品種は「タチバナ」でしたが、食味が良く外観も優れるので、暖地ジャガイモの主力に躍り出ます。
元々、アンデスの標高3000m以上の高地が原産のじゃがいも。暖地である長崎で栽培するには、品種改良や病害虫対策が欠かせません。
この難題に取り組んだのが、長崎県総合農林試験場愛野馬鈴薯支場でした。
詳しくは、拙文 「じゃがいも について」を参照ください。
https://tikuwapop.com/blog/2022/05/17/poteto-hidtory-worldwide/
現在は、後継品種で子にあたる、多収で圃場抵抗性の強い「ニシユタカ」に切り替えが進んでいます。
今も、暖地むけ品種として、「デジマ」「ニシユタカ」は重要な品種として残っていて、栽培面積も多いです。
【 経緯と特性 】
昭和37年、北海道農試で北海31号を母、ウンゼンを父として交配・採種され、昭和39年春に、長崎県で実生育成をし、選抜を重ねたもの。昭和46年、長崎県で奨励品種に採用されています。
特性としては、中晩生。暖地の二期作に適した品種。疫病抵抗性はR1を持っていますが、圃場抵抗性は強いとはいえないという評価だそうです。とくに、青枯れ病、高温期の乾腐病の発生が欠点とされます。
でん粉価は、暖地品種としては高いほうと評価されていて、12-14%とのこと。
とくに秋作ででん粉価が高いようです。
【 調理上の特性 】
煮崩れが程よく、比較的粉質なので、とても広い範囲の調理に向いている印象です。
肉じゃが、カレー、シチューなどの煮物のほか、粉ふき芋やフライにも向きます。
ガレットなど焼きものにもいい感じになります。適度に甘さも感じられます。
新じゃがのうちは、皮むきしないで、皮ごとフライや、甘煮、じゃがバターなどにもいいです。
あまり考えこまずに、気軽に使える食材だといえます。
マルチな性質で、特にクセがなく美味しいことから、飽きずに食べられる、良食味ジャガイモ。
発表から、すでに50以上経過していますが今でも人気。
栽培され続けている理由は、「美味しさ」で選ばれるからだろうと思います。
なお、緑化しやすいので、日光に注意してください。
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