素材ダウンロード
シナノゴールド
甘さだけでなく、豊かな酸味と香りに特徴があるリンゴ。
通称「シナゴ」。
国内で栽培されるリンゴ品種の中で、6番目に多く栽培されています。

ただ、上図からもわかるように、「ふじ」が栽培面積の半分を占めている状況を考えると、少数派であることは否めません。
そんな中でも、「王林」とともに、黄りんごの存在感を示す、重要な立ち位置にあります。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 シナノゴールド (よみ:シナノゴールド )
登録年月日 1999/08/11
育成者権の存続期間 25年
育成者権の消滅日 2024/08/12 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所 長野県 (380-8570 長野県長野市大字南長野字幅下692の2)
この品種は,「ゴールデンデリシャス」に「千秋」を交配して育成されたものであり,果実の外観が長円で果皮を被う色が黄,大きさがやや大,育成地(長野県須坂市)において10月上中旬に成熟する中生種である。・・・果実の大きさはやや大,果皮の地色は黄,果皮を被う色は黄,色の型は縞不明,さびの位置はこうあ,量は中間,さび状果点は無,果点の大きさ及び密度は中,スカーフスキンは無,果皮の光沢はやや弱,ろう質は少,粗滑の程度は滑である。・・・果肉の色は黄,押傷のつきやすさは中,果肉の褐色化,硬さ及びきめは中,蜜の多少は無~僅か,甘味及び酸味は中,渋味は無,香気は中,果汁の多少は多である。・・・「アキタゴールド」と比較して,果実の外観が長円であること,がくの開閉が開であること,果心が小さいこと等で,「メロー」と比較して,王冠が強いこと,がくあ及びこうあが浅いこと,果梗が短いこと,果心が小さいこと等で,「ゴールデンデリシャス」と比較して,王冠が強いこと,がくの開閉が開であること,さびの量が少ないこと,押傷がつきにくいこと等で区別性が認められる。

意外に新しい品種ですが、育成権が切れていて、長野だけでなく、岩手、青森などでも栽培されています。
貯蔵性が良いリンゴで、4月以降に入っても店頭に出たりします。
育成者の論文があります。
「リンゴ‘シナノスイート’と‘シナノゴールド’の育成および高品質安定生産技術の開発」小松,宏光
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010922284.pdf
1983年に交配、翌年495個体を育成。1986年定植~1992年初結実。選抜を続け、1996年品種登録を申請しています。
果皮が黄色い品種は、赤い品種に比べ、色の変化で収穫期を判断するのが難しいようです。また、園地の標高差によっても、収穫期の判断は異なるようです。そこでシナノゴールド専用のカラーチャートを利用し、適期収穫に役立てているそうです。
保存性の良いリンゴで、普通冷蔵で3か月程度 鮮度保持できますが、くん蒸処理で6か月以上の長期保存が可能になった事が説明されています。
【 食べてみた印象 】
長野で入手した個体は、皮が厚い印象でした。
食感に影響するので剥いたほうがおいしい場合があります。
皮がベタつくといった、ろうはさほど感じられません。
果皮色は、熟すにしたがって、緑色→黄緑色→レモン色→濃い黄色 に変化します。
熟せばよいという訳でもないので、その段階に従って、味を楽しむのが正解かと思います。
果肉はけっこうしっかり感があって、硬い印象です。
切った果肉の断面の変色は早め。早く食べたいところです。
当該品には、赤い斑点みたいなものも。
強い日差しを受けた個体は、赤い斑点が出やすいようです。
業界では、「ピンクブラッシュ」と呼んでいるようです。
整理障害で、食味には影響ありません。ただ市場評価は変わります。
甘い香りが強く感じられます。
酸味ではなく、甘さからくる香り。
ジュースは切った瞬間からダラダラと流れてきます。
ただ、食べるとそんなに多汁な感じでもなく、豊富なほうなのかなという印象でした。
強い甘さ。酸味が少ない品種のようで、バランスのとれた品のある甘さになっている印象でした。
202109改
202510改






