はれひめ

清見を親にもつ交配品種で、農研機構が育成。

【　品種登録情報　】

農水省品種登録DBより抜粋転載

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L.　（和名：カンキツ属）
登録品種の名称 はれひめ　（よみ：ﾊﾚﾋﾒ ）
登録年月日 2004/06/04
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所　国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 （305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1）
この品種は、「E-647」（「清見」×「オセオラ」）に「宮川早生」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さがやや重、果皮色が橙の育成地（静岡県静岡市）では12月上旬に成熟するかんきつである。・・・果実の形は扁球、果形指数はやや大、果頂部の形は平坦、放射条溝の有無は無、凹環の有無は不明瞭、果梗部の形は切平面、放射条溝の多少は中である。果心の充実度は空、大きさは大、果実の重さはやや重、果皮の色は橙、油胞の大きさは中、密度は密、凹凸は凹、果面の粗滑はやや滑、果皮の厚さ及び果皮歩合は中、剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は短、大きさは中、色は橙である。果汁の多少はやや多、甘味はやや低、酸味は低、香気の多少は中、種子数は少、胚の数は単胚である。発芽期はやや晩、開花期はやや早、成熟期はかなり早で育成地においては12月上旬である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は短である。「清見」と比較して、果心の充実度が空であること、剥皮が易であること等で、「オセオラ」と比較して、果実が重いこと、果皮の色が橙であること等で区別性が認められる。

清見が親品種になっています。オセオラは、赤味のあるタンゼリンで米国フロリダの地名がついた柑橘。
（タンゴール×タンゼリン）×温州ミカン。清見ファミリーの一員ですが、３世代目にあたります。
「はれひめ」も単胚性であるとあります。交雑して次の世代へとつながる可能性があります。

【　外観と印象　】

オレンジ色の外皮で、ミカンよりも凸凹が少なく光沢があって張りがあります。剥く前に皮からの香りはあまり無く、見た目だけでは、温州ミカンに似た印象です。
大きさも、それほど違いはありません。

皮むきはしやすくて、おしりからでも、頭からでもスルスルと剥けて特に気をつけることがありません。
滅多にないようですが、種がある時があるとされますが、当たったことはありません。

じょうのう膜につつまれた状態でも、やはり、温州ミカンに似た印象で、区別がつきません。
あえて言えば、少し張りがあるように感じられます。

じょうのう膜は薄く、これまた温州ミカンのように、普通に食べられます。

【　訴求ポイント　】

違いがあるのは、安定した甘味と、オレンジに似た香りです。
甘味の点では、それほど強くなく、10％前後の糖度ですが、じゅうぶんな甘さが感じられます。
オレンジに似た香りも、気になるほど強くなく、はっきりと温州ミカンとは違う趣きが感じられます。
この柑橘の良い点は、ほのかな香りと、温州ミカンのような、食べやすさにあると感じました。
酸味も適度にあり、柑橘らしい味わい。

「天草」に似た印象を持ちましたが、こちらも、清見ファミリーで、タンゼリンが交配に選ばれています。
清見のお陰で、柑橘の可能性が広がって、今後が楽しみです。

柑橘の中では早熟なほうで、12月上旬に出回り始め、年内いっぱい入手できます。
産地が限られること、期間が短めなので、そのあたりも、訴求ポイントになります。

なにかと、ミカンに似たところが、良い所であり、差別化しにくい所。
この柑橘の良さは、ジューシーさ、香り、安定した糖度と良いバランス、カジュアルさにあると思いました。

【　その他　】

栽培上は、秋期に雨が多い地域では甘さが淡泊な印象になることから、少雨の地域が向いているようです。結果として、国内では、愛媛県で8割ほど栽培される結果になっています。
愛媛県では、選抜品は「瀬戸の晴れ姫」としてブランド化し販売しています。

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