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春峰 しゅんぽう
カテゴリ:くだもの
珍しい個人育種の柑橘です。
ファイル名:syunpou-20230223tx_001.jpg
春峰 しゅんぽう
柑橘ではめずらしい、個人育種です。
酸味を気にせず比較的食べやすい柑橘。
減酸した3月のほうが甘味が強く感じられますが、酸っぱいのも美味しい。
飽きの来ない味わいで、一度食べるとファンになるかも。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 春峰 (よみ:シュンポウ )
登録年月日 1994/11/22
育成者権の存続期間 18年
育成者権の消滅日 2004/11/23
品種登録者の名称及び住所
河嶋美樹 (643-0025 和歌山県有田郡吉備町土生117番地)
この品種は,「清見」に「水晶文旦」を交配選抜して得られたものであり,果実の 外観が偏円,果重が280g程度,果皮色が橙黄で,育成地(和歌山県有田郡吉備町)に おいて1月下旬から収穫できるかんきつである。・・・果実の外観は扁円, 大きさは中,果皮の色は橙黄,油胞の大きさはやや小,果面の平滑度は滑,厚さは薄, 剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟,砂じょうの形はやや丸,大きさは 中,色は橙黄である。果汁の多少は中,甘味は多,酸味は少,香気の多少は中,種子 数は少である。・・・「清見」と比較して,樹姿が直立であること,枝梢のとげが多いこと,翼葉の大き さが大きいこと,果面の平滑度が滑であること等,「八朔」と比較して,葉身先端の 形が鋭であること,葉の厚さが薄いこと,果面の平滑度が滑であること,じょうのう 膜の硬さが軟いこと等で区別性が認められる。
柑橘では珍しい、個人育種です。
河嶋さんのHPがあります。有田・河長園。
http://www.cypress.ne.jp/yoshiki/mikan.htm
http://www.cypress.ne.jp/yoshiki/mikankobo.html
【 じっさいに食べてみた 】
202103 奈良県 道の駅 かつらぎで入手。 のち202302市場流通品を入手。
やや黄色みのある、オレンジ色の果皮。つるつるではなく、細かなデコボコが表面にあります。
重量感があって、きれいな外観。
剥く前の皮からは、あまり香りがありませんが、爪をたてると、とても良い柑橘の香り。
頭からは剥きにくい印象なので、おしり側から剥きます。
ブチブチと皮が千切れますが、剥けないわけではないです。
ブンタンのように、上か下を切り落とすと剥きやすそうです。
種がほとんどない場合もありますが、二度目に入手したものは、1個の個体から種が10個ほど出てきました。
完全に種がないというわけでは無いようです。
ほとんど種無しの個体もあるようです。
河長園さんに問い合わせてみると、近くに多種の晩柑があると種が入りやすいとのことです。
温州みかんのような、花粉の無いものであれば種は入りにくい ということでした。
「津之望」も同じような傾向があります。
甘味は強く、酸味はあるのですが、あまり気にならず、むしろ良いアクセントになっています。
味は、どちらかといえば、オレンジに似た感じで、八朔、イヨカンとは違います。
親品種である清見のオレンジライクな感じと、ブンタンが融合すると、こういう味なのかーと、感慨しきり。
面白い取り合わせですね。
じょうのう膜は、さほど厚いというわけでもないので、もぐもぐ食べてしまいました。
こういうのは嫌いではないです。
種があると少し面倒ですが、たくさん入るわけではないようです。
酸味は、2月中旬ではインパクトがありましたが、3月に入手したものは、酸抜けしたのか、酸味は弱く感じられました。酸味があっても、なかなか美味しい。
食べやすさがあれば、ホント優れたメジャーな柑橘として広まるでしょうね。
202103
202302改