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セミノール
Seminole
フロリダ州の農務省果樹試験場生まれ。1910年代のこと。
「ダンカングレープフルーツ」×「ダンシータンゼリン」の交配。
ダンカンは、日本でもわずかに栽培されている原種に近いグレープフルーツ。
ダンシーは、フロリダのフランシスL.ダンシー大佐の庭で実生を育成選抜したもので、現在は商業栽培されていない品種です。
フロリダ州オーランドにある小さな湖「セミノール湖 Lake Seminole」が名前の由来。
ボートでバス釣りには最高の場所らしいです。
【 日本への導入 】
日本へ導入されたのは1955(昭和30)年。柑橘会の世界的権威、田中長三郎氏がUCLAから種子で導入しました。
三重県の篤農家、桂清吉氏は田中氏と知り合いだったそうで、田中家に植わっていた中から、桂氏が選抜したものが商品化されて広まりました。
「セミノール」のほか、同時に導入された「カラマンダリン」も同様に田中長三郎氏・桂清吉氏のペアで育成されたものです。
【 栽培状況 】
平成元年には324haの栽培面積がありました。
令和2年時点では、120haまで減少しています。
大産地は、和歌山県。国内産の約半数を占めます。
大分県、三重県の3県で、9割以上を産出しています。
そういう意味では、産地はかなり集中しています。
栽培面積が減少しているという事実は、市場の需給に応じた変化と考えられます。
元はといえば、米国産の柑橘。国内の事情に合わない部分があるのかもしれません。
【 じっさいに食べてみた 】
つるっとした、光沢のある外観。温州ミカンに似ています。
皮が剥きづらいとされています。
あまり固く考えずに、手でむく方法をお伝えします。
おしり側に、爪で少し縦スジをいれます。
親指を突っ込んで、パカッと2つに割ります。
皮は、頭(軸)側から皮むきすると難しくありません。
じょうのう膜(薄皮)は少し厚めの印象ですが、食べられます。
酸味もありますが、甘味を強く感じます。果肉も柔らかい。
多汁で、オレンジの香りと相まって、心地よい味わい。
3月から収穫される晩生種ですが、早い時期に手を出すと、酸抜けしていない、酸っぱい個体にあたるかもしれません。
食べごろは、4月中~下旬くらい以降ではないかなと思っています。
個体差はあるでしょうが、1個に、10粒ほどの小さめの種が入っています。
小房ごと口に放り込んで、モグモグしたら、種だけ「ペッ」と吐き出すのが簡単な食べ方。
お行儀悪いな と思う方は、赤道切りしたら種をほじって、スマイルカットしてみましょう。
口の周りがヒリヒリする時があるかもしれません。