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清見オレンジ|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

清見オレンジ

カテゴリ:くだもの

多くの品種の種子親になっています。
この柑橘が無ければ、今の多様性は無かったと言って良いです。
奇跡の柑橘。

ファイル名:202104034.jpg

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清見  きよみ


日本初のタンゴール品種。


タンゴールとは、ミカン類とオレンジの雑種をさします。

tangerine(みかん類)とorange(オレンジ類)なので、「tang」と「or」で「tangor」と呼ばれます。


温州ミカンの食べやすさと、オレンジの香りと濃厚さがうまく合体した、優良品種。

晩生品種で3月に入ってから成熟します。


名前の由来は、育成地の農林省果樹試験場興津支場近くにある、歴史あるお寺「清見寺(せいけんじ)」、近くの海岸の清見潟(きよみがた)に因んでいます。



【 来歴 】


交雑年は1949年。

戦後から間もないころです。

「宮川早生」と、「トロビタオレンジ」の交配。

1963年初結実。
1969年ごろ、育成で一定の成果が出ていたようです。


種苗法による品種登録制度の前に生まれた品種なので、農水省のデータベースには記録がありません。

農林認定品種名は「タンゴール農林1号」。
1979年に登録。
登録まで、じつに30年を要しています。


育成に関する資料

農林省果樹試験場興津支場 果樹試報B「カンキツ新品種“清見"について」
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010272682.pdf


玉揃いは良くないものの、大玉にもなり、剥皮が難しくなく、オレンジ香があり、じょうのうが薄く軟質で多汁な果肉で優良な食味。

耐寒性が強く、通常は無核(たねなし)です。


特性や味覚が優良の点で画期的、というだけでなく、清見でなければ成しえなかった特殊性を持ち、清見から生まれた子孫が広まっています。



【 単胚性種子であることについて 】


ミカンやオレンジの多くは、種の中に複数の性質をもつ「多胚性(たはいせい)」の性質を持っています。

種の中に、複数の胚がつくられ、交雑した胚と、母方形質をもつクローン胚ができます。
多胚性の種子では、クローン胚のほうが旺盛に生育するので、交雑させても、交雑個体は ほぼ得られないそうです。


「清見」の交配親、「宮川早生」と、「トロビタオレンジ」どちらも多胚性です。


この交配から得られた交雑個体は3つだけで、その中の1つが「清見」になります。


どういうわけか、奇跡的に「単胚性」の性質を持っていて、まったくの偶然と考えられています。


単胚性の柑橘は、ハッサク、イヨカン、ブンタンくらい。

多胚性の柑橘の中で、「単胚性」という貴重な性質を獲得しました。


「単胚性」の特徴として、母親として交雑すると、容易に雑種が得られることから、「清見」を母に、多くの品種が生み出されることになりました。


参考

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 長谷川美典
「我が国におけるカンキツの品種育成」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/60/10/60_609/_pdf
清見の育成成果が画期的であること、その後有望品種の育成につながった事がまとめられています。


参考

農研機構 「カンキツの多胚性を制御する遺伝子を特定」
https://www.naro.go.jp/PUBLICITY_REPORT/PRESS/LABORATORY/nifts/130499.html
結実を待たずに単胚性・多胚性を確認する資料ですが、単胚性と多胚性の交雑について図入りで解説されています。


「清見」の原木は、今も果樹研究所カンキツ研究興津拠点(静岡市)で保存されています。




【 清見ファミリー 】


日本最初のタンゴール「清見」。

すぐれた性質をもっているだけでなく、先述のとおり、単胚性であることから、多くの品種親になっています。
名付けて、「清見ファミリー」です。



202404時点。

育成は、近年では第三世代中心になってきています。

「清見」のお陰で、特徴のある、美味しい品種が多数生まれていることがわかります。



【 種のない 柑橘の条件 】


「清見」を種子親とした場合、交雑品種は、葯(やく)が退化しやすく、自家不和合(自分の花粉では受精しない)で、雌性不稔(しせいふねん)の個体になりやすいようです。

結果として、無核(たねなし)の個体が出やすいとされますが、必ずなるわけではないようです。


参考

農研機構 「カンキツの無核化を目指して」
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/fruit/itiosi/2015/056887.html
以下引用

カンキツを種なしにするには、それなりの仕組みが必要で、それは「雌性不稔性」か「雄性不稔性」または「自家不和合性」であり、なおかつ「単為結果性」も必要である。
雌性不稔性とは、雌しべが機能不全であり花粉がついても種ができない性質であり、雄性不稔性とは、雄しべが機能不全で生殖能力のある花粉ができない性質である。自家不和合性とは、自分の花粉では受精せず種ができない性質である。
雌性不稔性なら、どんな品種の花粉がかかっても種はできない。雄性不稔や自家不和合性なら、他品種の花粉がかからない限り種はできない。
また、単為結果性とは、受精しなくとも果実が発達する性質である。通常は、種が入らないと、果実が肥大せず落果してしまうが、単為結果性だと果実が大きくなる。
以上


じっさい、清見ファミリーの品種は、無核(たねなし)になりやすい品種が多くあります。

清見自身も本来種無しで、環境によって種が入ることがあります。
子孫の品種も、近くに花粉の多い混植環境では、種が入る場合があります。


「種が無い」くだものは、温州ミカンや、柿の一部、バナナなどでは、ブドウのように化学処理をしなくても種無しになるものがあります。



【 食べてみた感想 】


皮むきは、難しいわけではないですが、温州ミカンのようにはいきません。

甘味が強く、香りはオレンジ似の香り。
同時に食べた、タロッコオレンジやセミノールに比べると、ややオレンジ感は少ないです。


ツブツブ感が感じられて、たっぷりした果肉。

味もオレンジ似の印象です。
酸味は大人しく、甘味と香りが強く印象に残ります。


種子親は温州ミカンですが、清見の印象は、それとは相当違います。

濃厚でオレンジに似た特徴がありながら、とても食べやすい。


奇跡のように生まれた果実。

楽しみたいものです。


202404

関連ワード

くだもの柑橘清見オレンジタンゴールきよみファミリー

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