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大和まな 大和真菜
アブラナ科在来ナタネ Brassica rapa L.
農水省品種登録データベースでは「大和真菜」と表記されています。ツケナの一種。
茎の赤いタイプの「赤まな」もあるそうです。寒さにあたるからでしょうか赤くなる個体があります。大きな差はないようです。「大和まな」は原始系に近い品種と理解されています。葉は大根葉のような切り込みのあるもの。明確でないものも見られます。
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現在「大和まな」とされるものは、奈良県農業総合センターで選抜 ・維持している系統、県内の種苗会社で生産 ・販売されている系統、農家が自家採種し維持しているものがあります。
葉っぱの形をみると、なんか色々あるようにも思えてきます。
元は採油用として古くから栽培されたようですが、いつのころからか、青果野菜としての利用が始まったようです。変異したのかもしれません。その点は、わかりませんでした。
奈良県は、平成17年10月に「大和の伝統野菜」として認定しました。
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「まな」「真菜」と呼ばれるもの、近いものは、各地に残っています。
奈良県の伝統野菜‘大和マナ'の来歴についての検証 / 奈良県農業総合センター から引用
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010761616.pdf
大阪府豊能郡豊能町高山地区「高山真菜」
沖縄県国頭郡伊江村「マーナ」
和歌山県海南市/和歌山市/橋本市「マナ」「まな」
福井県敦賀市山集落「マナ」「黒河まな」
京都府「畑菜」「白茎畑菜」
兵庫県姫路市「姫路若菜」
まだ似たものがあるのかもしれません。何しろ、植物界の変異の王様、アブラナ科です。変化し続けることは、生き残り戦略上も、とても優位です。
種の色から、上記は遺伝的系譜を2系統に分けられるとしています。また、江戸時代後期のいわゆる「ハタケナ(畑菜)」と「真菜」は同一のものと思われ、どちらも採油に利用されたそう。
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F1の改良種が品種登録されています。「大和まな」は、葉が黄変しやすいことから、品質維持期間が短い点を改良したものです。
品種情報以下「夏なら菜」および「冬なら菜」の登録について 農水品種登録DB より 抜粋
作物区分 野菜
農林水産植物の種類 Brassica rapa L. (和名:アブラナ(在来ナタネ)種)
登録品種の名称 夏なら菜(よみ:ナツナラナ )
登録年月日 2011/09/13
育成者権の存続期間 25年
育成者権の消滅日 2014/09/17
品種登録者の名称及び住所 (連名)
ナント種苗株式会社 (634-0077 奈良県橿原市南八木町2丁目6-4)
奈良県 (630-8501 奈良県奈良市登大路町30番地)
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 (630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の5)
国立大学法人奈良女子大学 (630-5806 奈良県奈良市北魚屋東町)
---出願品種「夏なら菜」は、対照品種「大和真菜」と比較して、草姿が中であること、葉形がへらであること等で区別性が認められる。対照品種「冬なら菜」と比較して、草姿が中であること等で区別性が認められる。
登録品種の名称 冬なら菜(よみ:フユナラナ )
登録年月日 2011/10/05
育成者権の存続期間 25年
育成者権の消滅日 2014/10/07
----出願品種「冬なら菜」は、対照品種「大和真菜」と比較して、草姿が立であること、葉数が少であること等で区別性が認められる。
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たべかた
和え物や煮びたし、浅漬け、煮物、炒め物など。寒さにあたると、甘さを増します。辛味がある個体もあります。大量にあれば、お漬物には申し分ないでしょう。地元ではおふくろの味「大和まなと揚げのたいたん」、いわば煮びたしですね。
ごはんに混ぜたり、おむすびの海苔代わりにしたり。青臭さはないので、メニュー無限大。
元々は、油をとるためでしたが、食べるとおいしいじゃないかーと、作られ続けたといいますから、やはり、おいしいものは生き残るのです。
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種の入手について
大和農園(天理市)、ナント種苗(橿原市)、フカセ種苗(天理市)で取り扱いがあるようです。
いずれも奈良の企業ですね。
F1の改良品種「夏なら菜」および「冬なら菜」は、ナント種苗で入手できます。
フカセ種苗のものは、「中晩生丸葉真菜」「晩抽性切葉真菜」の品名ですが県内在来種。大和の字が入っていないもので同一と思われます。
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