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にんにくの芽 茎ニンニク
にんにくは、一般的には、根もとの球根(鱗茎)を食用にします。
秋に植え付けたにんにくは、越冬して急激に伸長し始めます。
4月ごろ、花芽が伸びてきます(トウ立ち)。
通常は、球根部分を食用にするために育てています。
そのままにしておくと、花芽に栄養が取られて、地中の球根が大きくなりません。
そこで、蕾のうちに摘み取って食べてしまえ!というのが、「にんにくの芽」です。
芽と呼んでいますが、花を付けるために伸ばす花茎(かけい)と呼ばれる部分。
先端にボンボリがついていますが、放っておくと、花が咲きます。
紫色の花(白もあり)で、園芸でも人気のようです。
通常のニンニクはもちろん、ジャンボニンニクあるいは無臭ニンニクと呼ばれるものにも、「にんにくの芽」は出来ます。
【 にんにくの分類 】
通常のにんにくと、ジャンボニンニクの分類は異なるという点だけ押さえておきましょう。
・通常のにんにく
科:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
亜科:ネギ亜科 Allioideae
属:ネギ属 Allium
種:ニンニク A. sativum
・ジャンボニンニク
科:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
属:ネギ属 Allium
種:リーキ A. ampeloprasum
変種:ジャンボニンニク
ジャンボのほうは、ニンニクとは別種で、リーキの仲間で変種にあたります。
リーキは、ねぎの外観ですが、葉が円筒形ではなく、平たくなるタイプ。
全体に下仁田ねぎに似た感じのものです。葉の部分が、よくわかる写真。
たまに国内でも販売しているのを見かけます。
【 にんにくの起源と産地 】
にんにくの原産地は中央アジアと推定されています。紀元前古代エジプトで栽培されていた、歴史の長い食べ物。ピラミッド建設の労働エネルギーになっていました。
薬としての利用もさかんに行われたようです。
日本には中国を経て奈良時代には入っていたという記録があります。しかし、当時の日本人の嗜好には合わないのか、主に薬用とされています。
中国が世界のにんにく生産量の8割を占めています。国産ニンニクは約80%が青森県産。
ちなみに、にんにくの芽 の国内流通ものは99%中国産。国産は貴重です。
【 にんにくの芽を育てるのに向いている品種 】
にんにくで、人気の品種は「ホワイト六片」です。しかし、「ホワイト六片」は、トウ立ちしても、ひょろりとして、あまり長く伸びないことが多いです。
つまり、不完全抽苔(ふかんぜんちゅうだい)品種なんです。
にんにくの芽を食べたい!という時は別の品種を選んだほうが、しっかりしたものを収穫できます。
改良種が出ています。
上海早生、富良野、遠州極早生、壱州早生 はにんにくの収穫と、にんにくの芽両方が収穫しやすい品種です。寒冷地や温暖地など、栽培環境に応じて選んでください。
通常のにんにくのほか、「ジャンボにんにく」からも、にんにくの芽が収穫できます。
ジャンボにんにくの「にんにくの芽」のほうが、外観が、しっかりとして、太く、真っすぐな印象です。蕾の形もしっかりしています。ひょろりとしたものは、いわゆる「にんにく」なのかなという感じです。
直売所では、時期になると一斉に出てきます。「ぼんぼり」の部分がついたまま出されることが多いです。
長さ太さ曲がり具合、いずれもまちまちで、通常のにんにくと、ジャンボにんにく との区別なく売られます。
あまり太いのはスジっぽいのが多いので避けたほうが良いです。
にんにく(球根)は、摘蕾(てきらい)後30日ほどで収穫を迎えます。
【 その他のニンニク関連 】
番外ですが、「葉にんにく」もあります。球根(鱗茎)が太る前に、地上の部分を刈り取って食べてしまう、というもの。つまり、にんにくの収穫を目的にしていないという、栽培です。
若どりの葉ですので、柔らかでニラに似た美味しい素材です。中華料理店で知らないうちに食べているかもしれません。
高知の伝統野菜で、葉にんにくの専用品種が出ています。
鮮度落ちが早いところが難点。
にんにくのスプラウトにあたる、「発芽にんにく」も見かけるようになりました。
解説はこちら。
水耕栽培が多いようです。
にんにく特有の臭いがマイルドなので、臭いが苦手という人にも向いています。
素揚げなどで加熱すると、ホクホクと美味しいです。加熱が浅いと、島らっきょうに似た辛味があります。
らっきょうも、同じネギ属の植物なので、性質は似ていますね。
【 にんにくの芽の食べ方 】
下処理は、沸騰した湯で2分ほど下茹で。
ボンボリを天ぷらにして食べる人もいるようです。
一般的には中華炒めの材料で知られています。
甘辛い味や、濃い味付けとよく合います。油との相性も抜群です。
和え物・煮物にもどうぞ。
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