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インカのめざめ
じゃがいもは、元々南米チリ、アンデス周辺の3000m級高地が原産。
アンデスでも、お祭りにしか食べられなかった高級ジャガイモ「ソラナムフレファSolanum phureja」種を改良したものとされていますが、後述。
いずれにせよ、インカ帝国のあった、アンデス品種由来ということ、新しくリリースした品種ということで、「インカ」の「めざめ」と名付けられたようです。
【 品種登録情報 】
農水品種登録DB より抜粋引用
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L. (和名:バレイショ種)
登録品種の名称 インカのめざめ (よみ:インカノメザメ )
出願年月日 1997/04/11
登録年月日 2001/02/09
育成者権の消滅日 2021/02/10 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は、出願者所有の育成系統どうしを交配して育成された固定品種であり、いもの形は卵形、皮色は黄褐、肉色が黄の調理・加工原料向きの品種である。叢性はやや開張型、個重型・個数型の別は個数型、幼芽の色は紫、太さは中、茎の長さは短、太さは細、茎翼は直、茎色(1次色)は緑、分枝数は少、萌芽時の葉色は帯紫、頂小葉及び小葉の形は中間、大きさはやや小、花の数は少、がくの色は紫、花の大きさは中、花色(1次色)は紫系、花粉の多少は微、結果数は稀、ふく枝の長さは短、いも着生の深浅は浅、いもの長短はやや長、扁平度は弱、形は卵形、皮色(1次色)は黄褐、表皮の粗滑は滑、目の数は少、深浅は浅、肉色(1次色)は黄、休眠期間は極短、枯ちょう期は極早、初期生育及び早期肥大性はやや速、上いも平均1個重は極小、肉質は中、黒変の程度は微、煮くずれの程度は少、食味は上である。「男爵薯」と比較して、いもの形が卵形であること、皮色が黄褐であること、肉色が黄であること、休眠期間が短いこと、「ムサマル」と比較して休眠期間が短いこと、上いも平均1個重が小さいこと等で区別性が認められる。
小型で、果肉色が黄色く休眠の短い特徴が記録されています。
農研機構北海道農業研究センターの育成。
ここでは、詳しく記述されていませんが、アンデス在来種に、アメリカ品種を交配したようです。
「W822229-5」を母、「P10173-5」を父として交配とされます。
「W822229-5」は、南米アンデスの2倍体在来種Solanum phurejaとアメリカ品種の交配育成。父親の「P10173-5」は、国際ポテトセンターから導入した交配種子の選抜とのことです(じゃがいも品種詳説)。
日本では秋作が主。
国内での主産地は、北海道中川郡幕別(まくべつ)町。長芋の産地でもあります。
「本格焼酎インカの目覚め」など加工品もあります。
宮城登米市でも力を入れているようです。
ちなみに、「インカのひとみ」は「インカのめざめ」の改良種。甘味の強い個性的なお芋。
【 品種特性 】
休眠が短く、すぐに芽をだそうとします。
元気な性質をもっています。
栽培は難しく、病害虫に弱いこと、小ぶりで機械収穫に向かないことから、生産量はごく少ないです、
栗に似た甘さと濃厚な味わいで、果肉はなめらか。
サラダ、フライ、スープやグラタン、グリル、じゃがバターなどに向きます。
煮崩れしやすいこともありますが、糖度が高いので、煮込むよりも、素材の味わいが活かせる調理が向いています。
保存時は、芽を出しやすいので、新聞でくるんで冷蔵保存します。
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じゃがいもについて広く知ることができるよう、まとめて記事にしています。
知識として役立つと思います。拙文リンク こちら