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葉しょうが 葉生姜|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

葉しょうが 葉生姜

カテゴリ:やさい

葉生姜です。馴染みがない地域も多いかもしれません。
理由は、栽培適地は国内では関東以西だからです。
「谷中」「金時」といった品種が使われます。
写真のものは静岡県産。

ファイル名:20210524.jpg

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ショウガ 生姜 ハジカミ 呉薑(呉椒)(クレノハジカミ) 
Ginger

科:ショウガ科 Zingiberaceae
属:ショウガ属 Zingiber
種:ショウガ Z. officinale

国は違っても、料理に無くてはならない重要な香味野菜です。
和名 「生姜」。

【 ショウガの歴史 】

熱帯アジアでインドあたりが原産ではないかと考えられています。3000年前には栽培されていたといいますから、かなり古くからある香味野菜。
辛味と、さわやかな香りが好まれ、食用としての利用のほか、薬用として世界中に広まりました。

2~3世紀にアジア大陸から日本に入ってきたようです。
古事記にも波士加実(ハジカミ)の名で記録があります。
呉薑や呉椒(クレノハジカミ)という名は、支那から渡来したもの、山椒のような香味であるという意味です。生薑(ショウキョウ)とも呼ばれていたのが、現在のショウガに訛ったのではと考えられます。

ヨーロッパでは14世紀になって、スパイスとして人気になり広まります。欧州は生姜の栽培適地ではなかったので、当時の大産地インド周辺から大量に運ばれるようになりました。主に乾燥品だったので、日本人のショウガの使い方とは少し違いがあります。


【 ショウガ の生態 】

栽培適地は温暖で、湿度のある地域。寒さには弱いです。
本来は多年草ですが、日本の気候では一年草扱い。
令和2年農水省ショウガ出荷量データを見てみます。

なるほど、関東以西で主に太平洋側と九州四国に集中しています。四国高知県で約4割を占めています。
熱帯性の野菜なので、霜がおりるような時期をさける必要があります。
最低地温が15度以上で植付します。
ショウガは、栄養繁殖植物で、種から育つわけではなく、根茎を植えて増殖します。
ジャガイモやニンニクと同じですね。

食用にしている塊の部分は、地下茎の部分(根茎)で根ではありません。

【 分類のしかた と 呼び名 大きさ編】

ショウガの理解を深める目的で、分類について触れておきます。
ひとつは、根茎の大きさをもとにした分類方法が用いられます。

◆ 大ショウガ
インドショウガ、近江ショウガ、おたふく 等の品種があります。
夏すぎに出てくる、1kgを超すような大きなものが、大ショウガです。

◆ 中ショウガ
房州、中太、らくだ 等の品種があります。
小ショウガよりも太く大きめ。
大ショウガよりも辛味や風味が強い品種。

◆ 小ショウガ
在来種、まだれ、三州(赤・白)、金時 等の品種があります。
主に、葉ショウガとして栽培されているものです。
よく知られた、谷中生姜もこの仲間です。谷中は、現在の東京都台東区谷中が主産地だったことから名前の由来になっています。


近江ショウガを中ショウガとしたり、三州を中ショウガとする園芸書もあり、栽培条件で少々まちまちなところがあります。国内で栽培される近江ショウガも、ルーツがタイや中国のものもあって、何か関係があるのかもしれません。

国内大産地で4割を占める高知県では、大ショウガである「土佐一号」が使われます。結果として生産量の大部分は大ショウガということになります。
千葉県では葉ショウガ栽培が主です。

奈良在来の大和野菜に「小しょうが」が登録されています。大ショウガほど大きくはないのですが、上記の小ショウガの分類ともいえないので、ちょっと混乱しますね。


【 分類のしかた と 呼び名 収穫時点編】

別の切り口として、収穫の時期に応じた呼び名があります。

大きさがかわるごとに、呼び名が変わるので、出世魚ならぬ、「出世野菜」。
さやえんどう→えんどう、もやし→枝豆→大豆、ヤングコーン→とうもろこし みたいな話です。

◆ 矢生姜・筆生姜
根茎がまだ指先くらいのころ収穫します。
葉が3~4枚で15cmくらいのころ、株元を押さえながら引っこ抜いて収穫します。
焼き魚の、はじかみ生姜でお馴染み。


◆ 葉ショウガ
葉が6~7枚くらいになった初夏のころ収穫します。
矢生姜・筆生姜とあまり厳密に区別することなく混同する場合もあります。
水分が多く、みずみずしいショウガ。辛味はおだやか。
生食用です。味噌をディップしたり、甘酢漬けにしたりします。先述の小ショウガの類が向いています。
ハウス栽培では、50~60日ほどで出荷となりますので、意外なことに年間5~8回も集約栽培する作型が可能です。


◆ 新ショウガ(根ショウガ)
露地では、秋がすぎて、地下茎が大きく育ったものを収穫したもの。
夏がすぎた頃出回るのは、ハウス栽培のものです。
大ショウガだと1kgを超すものもゴロゴロあります。
国産のほとんどが大ショウガです。ですので、新ショウガ=大ショウガの新物というのが一般的なイメージ。
皮ごとおろした方が風味が良いです。
甘酢漬けなどは、スプーンでこすると、皮むきできます。


◆ ヒネショウガ(老成生姜)(古根生姜)
種取り用に保存した、ショウガ。保存されていて、通年 需要に応じて随時市場に出回ります。
辛味が強く、色も濃くて繊維質。「囲いショウガ」とも。土付き状態で低温保存します。
なんで「囲い」なのか諸説あるようです。昔は冷蔵庫が無かったですから、地下の土塀など、囲った場所に保存したからでしょうか。
ヒネショウガは、元々は「新ショウガ」だったのです。


【 品種登録されているもの 】
大産地高知県では、「土佐一号」がメインです。通称「トサイチ」。
大ショウガ「おたふく」から分岐したものです。
国内産ショウガとして売られるものの大部分にあたります。
農水品種登録にはありません。
今後、どの程度品種の洗い替えがあるかは不明ですが、個人育種のほか、法人で登録されているものをご紹介。

・高知県
土佐太一(よみ:トサタイチ )

・株式会社坂田信夫商店
土佐赤香(よみ:トサセッコウ )

・エスビー食品株式会社
サン近江(よみ:サンオオミ )
サン白芽(よみ:サンハクガ )
サン武州(よみ:サンブシュウ )

・土佐香美農業協同組合
とさのひかり(よみ:トサノヒカリ )

エスビーのものは、小ショウガです。

黄金(こがね)ショウガは、株式会社坂田信夫商店の育成ですが、品種登録はされていません。土佐赤香は、赤味のある色をしています。


ショウガに関しては、「谷中しょうが」を除き、あまり品種群を意識することなく販売されることがないでしょうね。


【 ショウガ 健康に関連した事項について 】
色々なサイトで、ウソかほんとは判らない内容の記述が蔓延しているショウガ。

ショウガをテーマにした論文は結構あるので、ご紹介していきます。
ただし、店頭で表記する場合は、薬事法だけでなく、健康増進法(誇大表示の禁止)などに配慮ください。

疑問1:ショウガを食べると体温が上昇する

「生姜による体温と体感の変化に関する調査」
https://tosho2.kyokyo-u.ac.jp/webopac/s008v21p49-52_kodera._?key=IQSZXZ

なんと、京都府立園部高校のサンプリング。京都教育大学の田中里志教授らの指導を得ています。
「体感」では温かくなったとするものの、実際の対応変化は誤差の範囲で、変化なしという内容です。
自 律神経の興奮や,血 行,代 謝量,発 汗量に踏み込むと内容が変わるのかもしれません。

「ショウガ接種がヒト体表温に及ぼす影響」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/58/1/58_1_3/_pdf

滋賀県立大人文科学部および京都大学大学院 の生徒による、ショウガ添加のパンを用いたもの。皮膚温度が上昇したとするグラフが掲載されています。血圧・血流がよくなるという点には有意な差がないとしています。
さきほど紹介の内容とは異なっています。


疑問2:ショウガの殺菌作用

「ショウガの殺菌・抗菌効果とその実用化に向けた解析」
福岡県立大 芋川浩氏
https://fukuoka-pu.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=447&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=13&block_id=21

培地を用いた細菌に市販のチューブいりしょうがを使用。マウスを用いた殺菌効果は低いものの、培地では効果がみられたとしています。皮近くに「ジンゲロール」「ショウガオール」といった殺菌・抗菌物質が含まれているということです。


「しょうがは身体を温める効果があるそうですが、どのような成分が働いているのですか。」
農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1811/01.html

ショウガには品種も多く、品種によって成分にかなり違いがあることに触れています。
「しょうがの辛味と香り成分は、防腐剤、強壮剤、利尿剤の効果があり、熱を冷まし、食欲を促し、消化を高め、風邪、咳、車酔い、リウマチの痛みにも効くと考えられており・・・」と、けっこう踏み込んだ記述があり、少し心配。

平成22年度 中学生・高校生の科学・技術論文 
「カビを抑制する食材に関する研究」二本松市立小浜中学校
https://www.pref.fukushima.lg.jp/img/kyouiku/attachment/903130.pdf

こんどは、中学生の研究。おにぎりを使ったもの。
中学生らしいと言えばそれまでですが、かつお節や梅干し、酢といった、おむすびから連想する食材の効果が中心です。タバスコを使うという辺りがなかなか面白いです、。
検証実験2で、ネギ、シソ、ニンニク、ショウガ、ワサビを試した結果が出ています。
検証実験3では、培地を使った検証。
実証実験4で、菌が死滅するのかというテーマで調べていますが、「少し増殖」と報告していますが、食材の保存という点での期待が記述されています。最も効果があったのは食酢であるとしています。


今に始まった話ではありませんが、現在も医療の世界ではとても注目される野菜です。
論文の類はかなりの量がありますので、一部を紹介しておきます。
興味があれば、医療系の論文も読んでみては如何でしょうか。

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