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ヒョウカン 瓢柑 弓削瓢柑
ブンタンの仲間とされています。
縦長で下膨れの形をした、あまり見ない柑橘。
糖度も案外あって、何より香りの良い柑橘です。
さっぱりとして、さわやかな味わいの柑橘。
昭和の初め頃に、台湾から移入したものとされていますが、来歴は不明な点が多いです。
何かとの交雑種かもしれません。
名前にヒョウタン(瓢箪)の、瓢の字が入っています。
なるほど、ヒョウタンに似ている柑橘です。
「弓削瓢柑」の名でも出回ります。
名前の元になっているのは、瀬戸内海の島「弓削島」です。
レモンに似た皮の色ですが、酸味や苦味はあまり無く、なかなか洗練された感じの果実です。
意外なほど、栽培はされていないようで、レア品扱いと言って良い状況。
農水省特産果樹の統計には平成11年まで捕捉されています。おそらく出荷ベースでしょう、栽培で1ha,出荷量で15t 主に高知県産となっています。
皮の部分はそれなりに厚みもあります。
マーマレードにすると美味しいそうです。
京都大学発表のDNAマーカー解析では、「河内晩柑」は、この「ヒョウカン」の系列で交雑と分析されています。
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/embed/jaresearchresearch_results2016documents161201_101.pdf
【 じっさいに食べてみる 】
幾度か、愛媛県産のものを入手しています。
とても香りの良い柑橘。
たいてい、しばらく机の上に飾って、香りを楽しんでいます。
皮むきは、少し、やりにくい部類です。
できなくは無いのですが・・・
無理に皮むきして、手がぐちゃぐちゃになるのを避けるなら、上下を落として、くし切りにしてかぶりつくのが食べやすいと思われます。
ネット上では、意外なことに輪切りにして四つ切りしている人も多いようです。
アルベドの層は、ブンタンのように、とても厚いわけではないです。しかし、少々苦味があります。
種は、それなりに入っています。少ない時もあって、多いという程ではないですが、まあ、こんなものでしょうか。
じょうのう膜は、厚みがあります。
モグモグして食べてもいいですが、一般的には、あまり好まれないかと思います。
変な表現ですが、「意外に美味しい」という感想に尽きます。
たいした事なさそうな、ただの飾りかと思いきや、食べてみると、ほどよい品のある味わいと甘さ、香りの良さで、不思議とまた食べたくなるのです。
しかも、少し変な形。
愛着がわくのです。
不思議な柑橘。