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ひもとうがらし 水引とうがらし|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

ひもとうがらし 水引とうがらし

カテゴリ:やさい

奈良伝統野菜です。奈良の直売所では、夏場入手しやすい食材です。ひょろりとした、辛くないとうがらし。

ファイル名:202107260.jpg

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ひもとうがらし  水引とうがらし 紐唐辛子

唐辛子はナス科トウガラシ属の植物で、原産国は中南米。ジャワと主張する人もいますが、これはちがうようです。中南米からヨーロッパに伝わって、インドや中国を経由し、16(15とも)世紀に日本へ伝わったといわれています。日本ではあまり好まれず、広まったのはずっとあとのことです。秀吉と韓国とうがらしの件は諸説あるので触れません。

【 トウガラシ属と歴史 】
トウガラシ属の食用には5種あります。
カプシクム・アンヌーム(Capsicum annuum L.)
カプシクム・フルテッセンス(C. frutescens L.)
カプシクム・キネンセ(C. chinense Joeg.)
カプシクム・バッカートゥム(C. baccatum L.)
カプシクム・プベッセンス(C. pubescens Ruiz.et Pav.)

もっとも広く栽培されているものがアンヌーム種で、日本国内でも沖縄島とうがらし(フルテッセンス種)を除き、すべてアンヌーム種です。
おなじみのタバスコはフルテッセンス種、辛みの強烈なハバネロはキネンセ種。

主な流通種である、「アンヌーム種」の起源は、メキシコ南部~中央アメリカと考えられ、有史以前から栽培され多様性を持ちます。
コロンブスの航海時代に西洋に伝わり、のちインド~中国~日本へ伝わったようです。16世紀前後ですから、案外新しく伝来した作物です。しかも、驚くほどのスピードで伝わっています。
大陸経由で伝わった説もありますが、ポルトガル船だと思われます。

【 トウガラシ類のいろいろ 】
世界の中でも、日本はとても多くの種類のトウガラシがあるそうです。気候や地理的な条件もあるのでしょう。
在来種が多く記載されている論文をご紹介しておきます。これでも、まだ一部かと思います。
トウガラシ在来品種を用いた研究動向と遺伝資源としての保全と利用/松島憲一氏
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030922384.pdf


【「ひもとうがらし」 とは】
ひも状の細長いとうがらしなので、そのまま名前になっています。奈良県では「古くから県内で栽培」とされますが、時代の特定はできませんでした。
「伏見群」に属する、辛味のないとうがらし。
辛トウガラシとシシトウとの雑種から選抜されたと推察されています。
自家消費用につくっていて、かなりの量が1株から収穫できます。
地元の直売所なら、シーズン中確実に入手できる、メジャーな夏野菜。
種とりせず、丸ごと調理できて火の通りも早いです。
複数の系統があるようですが、詳しくはわかりませんでした。

【日本のトウガラシ】
日本は、世界からみても、トウガラシの品種が多い国だそうです。四季の変化のせいでしょうか。山岳地が多いことも、独自の発展をした理由かもしれません。
「鷹の爪」と呼ばれているものがおなじみですが、本鷹(ほんたか)三鷹(さんたか)熊鷹(くまたか)八房(やつふさ)日光とうがらしがあります。
これに青とうがらし、黄とうがらし、在来種のものなど。
「ひもとうがらし」は、在来種のひとつです。
「万願寺とうがらし」も在来種ですが、全国区になっています。

【関連したもの・情報】
似たような、ほそ長いものに、神奈川県伊勢原市子易地区の「大山とうがらし」がありますが、こちらは辛さで選ばれる名産品で別物と思われます。
2010 神奈川県農業技術センター研究報告 第 153号
「神奈川県伊勢原市I在来トウガラシの特性」を参照してみてください。
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010811526.pdf



【タネの販売】
ひもとうがらしの、タネの販売状況 202201

大和農園 ひもとうがらし
ナント種苗 ひもとうがらし
栽培する地域が限られること、自家採種も多いことから、種子の販売会社は少ないようです。

【 甘とうがらしが 辛くなる という事故について 】
伏見とうがらしや万願寺とうがらしなど、辛くないはずのものが、ものすごく辛いときがあります。
トウガラシ類は中南米原産で、チリで多様な品種に分化したと説明しました。
実は、コロンブスが西欧に持ち込んだ際に、黒コショウの仲間ではないかとして、植物名にpepperとついた経緯があります。つまり辛かったんですね。胡椒と区別するため、チリペッパーや、レッドペッパー(英国)など、pepperという呼び名が今もそのまま定着します。
一般に小さな果実ほど辛味があるとされますが、これも、大型のベル品種に辛いものがあり、はっきりとした区別がありません。要は、一般にはこういう形質だが、遺伝上、こんな形質がポコッと生まれてしまうケースがあるということかと思います。
甘味種は、長い年月をかけた分化の結果、甘い品種と辛い品種に分かれたのでしょう。
ちなみに、日本の江戸時代の記述では、辛味のあるものがトウガラシであるとしています。甘味種として固定した時期はわかりませんが、存在はしていた可能性があります。
では、本題に入ります。
万願寺とうがらしは、辛味の少ない系統のものです。にも拘わらず、辛い物が発現します。
ちなみに、万願寺の元とされる伏見とうがらしにも、同様に、まれに辛味のあるものが発現します。
在来では、伏見、万願寺、ひもとうがらし(奈良)、三宝(鳥取)、日光とうがらし、そら南蛮(長野小諸)、杉谷とうがらし(滋賀甲賀)、田中とうがらし(京都)などが甘とうがらし品種として残っています。シシトウの仲間であっても、由来次第では辛味が強く発現するケースがあると思われます。
理由は諸説あります。

◆「近くに鷹の爪など辛味種を植えると起きる(メタキセニア)」とされます。
しかし、トウガラシにはメタキセニア現象はないので俗説です。

◆辛くなる原因は、植物への急激な環境変化が、引き起こす原因と考えられています。
急激な水分減少による変化、急激な降雨による根いたみ、高温期に津薬価した単為結果(種なし果)で辛味が強くなることがわかっています。
遺伝的に持っている、辛味成分「カプサイシノイド」を生産する能力が、環境変化をきっかけにして、スイッチが入ると考えればよさそうです。

辛味のでない品種育成は今後も重要なテーマということになります。

番外
とうがらし類には、辛い物と辛くないものがあります。本来は辛くないのに、辛く変化してしまう時があって、諸説ありました。
・土中のリン酸量とカプサイシンの関係性について 土壌診断で予測できるようです
「トウガラシ栽培における果実の辛味変動とその要因」信州大学学術研究院(農学系)准教授 松島 憲一氏
https://www.tokusanshubyo.or.jp/tokusan20_09.pdf
ししとうを、375個も食べ、分解し種の数をお調べです。たいへんだったでしょうね。
「ししとう」の種が少ないものが辛いんですね。開花期のストレスが要因ではないかと結論づけています。

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