焼き芋食べ比べⅢ「紫芋編」ふくむらさき・パープルスイートロード

投稿者: tikuwapop 投稿日:

ふたたび みたび
焼き芋です
太ります!(笑)
でも、体調いいんです。
お芋のおかげかな?

この時期比較的入手しやすくて、秋を越して熟成してきたので、
12月の今こそ、「チャンス!!」じゃないですか?

というわけで、今回は、
「紫芋」をピックアップしました。

紫芋には、「アヤムラ サキ」のように、ほとんど甘くないものや、
主力の「パープルスイートロード」(長い名前ですね)がありますが、
2021年のごく最近品種登録された、期待の新星
「ふくむらさき」入手できたので、今回の試みに。

パープルスイートロードの青果需要はあるのですが、
どうやら現場からは、「いまひとつ甘くない!」(# ゚Д゚) 
など、あまり有難くない評価をもらっているようです。

ならばということで、流石農研機構、がんばりました。
ベニハルカ並に甘くて、おいしいお芋!という
期待の新星☆彡 「ふくむらさき」の開発に至ったわけです。

というわけで、今回は、
紫芋(さつまいも)の焼き芋食べ比べ。
ベンチマーク比較として、
再度登場!茨城の期待のブランド
「紅優甘」です。品のある甘さとどこまでもしっとりの
上質な「べにはるか」です。

なぜ選んだか?
「べにはるか並に甘い」という触れ込みの「ふくむらさき」。
対比には、やはり、フラッグシップ品種をぶつけなくては!!

そんな中で、比較的古い品種「パープルスイートロード」の立ち位置って
どうなの?
というあたりを、感じてみたいのです。


では、お楽しみください。

今回も、愛用の焼き芋壺


三鈴陶器 「いも太郎」です。三重県四日市の萬古焼。
紹介しても、何もいいことは無いんですが、
焼き上がりが判りやすくて、おすすめです。もっといいものあれば、スポンサーになって~(笑)。

その前に、基礎知識だけおさらいしておきましょう。
■パープルスイートロード
2004年登録、農研機構の開発品種。
「九州119号」に「関東85号」、「関東99号」、「関東103号」、「九州105号」及び「ベニオトメ」の混合花粉を交配とあります。複雑ですね。
自家不和合性植物の植物を「騙す」手口として、混合受粉はよく行われます。
お芋って、そういう性質なんでしょうか。詳しいかた、ご意見お待ちします。
紫芋は、甘味が少ないものが概して多いようですが、十分な甘さをもっているとされます。色はアヤムラサキのほうが濃いのですが、加熱しても紫色は残るなど優れた特性を持っているので、現在の青果用紫さつまいもの主力といってよい品種。
では、一体、どの程度の満足度なのか、実際に食べて、フラッグシップ品種と比べたくなりますよね。

■ふくむらさき
2021年登録ですが、苗の供給は2019年からされていますので、既に食べたよ!という方もいるでしょうね。
黄色肉のさつまいも「九系255」と、「パープルスイートロード」の交配とあります。
パープルスイートロードよりもしっとりで、甘さと食感が優れる・・・
ほかの知識はありませんでした・・・
資料が少ないってことは、自分の味覚や感覚を大切にしなくては。

ほかの人の感想も参考になりますが、
とにかく、自分で食べてみないと。ねッ(^^)/
新しい品種や、レアな品種は、こういう所が、面白みでもあります。
もちろん、将来性も。

大体の意図をお話したところで、実際どうなのさ?
という部分に入ります。

生の断面はこんな感じです。

どちらも、しっかり紫色ですが、
ふくむらさきは、ずいぶん濃い紫色をしていますね。

さっそく 焼いていきます・・・。

ストーブの上で、1時間30分経過。
良い香りが充満してきました。
さてさて。




まずは、期待の「ふくむらさき」。
焼いた皮からは、蜜が少し出ていて、
テロテロに光っている部分もあります。
パカリと割ってみると、おおお、


やはりというか、生のお芋の状態から、
ふくむらさきは、さらに濃い紫色に。
ほとんど黒っぽい紫(笑)
で、
食べた感じですが、
たしかに、「べにはるか」によく似た感じのお芋。
しっとりしていますが、それほど水分や蜜ダラダラという個体では無かったです。
甘さは、たしかに、ちゃんと「甘い」。そして「柔らか」
触った感じも、パープルスイートロードよりも柔らかい。
甘さ具合も、ベニハルカに似たような、あとを引くような感じ。
紅優甘ほどではないですが、
筋っぽく見えても、筋っぽさは感じず
両端までおいしくしっとりしていました。
とくに香りは感じません。

紫芋には、「加工用」の需要もあります。

干しいも、菓子類、モンブランなどの製菓といった
利用には、この強い紫色は、使いやすいのでしょうか。どうでしょ。
たしかに、甘味を多く足す必要はなさそうです。
ソフトクリームできそうですね!濃い色のソフトクリーム!!食べたい。

一方の、パープルスイートロードは、
全体に張りを感じる焼き上がりです。
ほっくりと割ってみると、

へぇー。
なるほど、ふくむらさきよりも、
粉っぽい見た目です。
食べてみると、ホクホクというほどではなく、
水分も感じられる、「ほっくり・しっとり」な感じです(笑)
見た目と食べた舌の上の感覚は、ちがいます。
甘さですが、まあ、ちゃんと甘いんですよね。
おとなしい甘さで、これを、
「けしからん!」「●●みたいに、甘くない!!」
と、お怒りの御仁もおられるのでしょうが、
ちくわ的には、これは「あり」かなと思いました。
この味に、物足りなさを、どこか感じるというのは判ります。

甘さ?それほどでもないかも・・・
ホクホク?ではない。
しっとり?いえ、そんな風でもないんです。

何やら、それぞれの中間のような、どこか落ち着かないような、
でも、食べた~という感じは、
パープルスイートロードのほうがシットリに感じるから不思議なものです。
品のある感じで、個性を押し殺したような、静かなたたずまい。
そんな感じでしょうか。
ますます判りにくくなりましたね(笑)

加工品需要という点では、おとなしい性質のほうが
制御しやすいかもしれませんね。
少し青みがかった紫色という評もあります。
個体差でしょうか。今回のものは、きれいに色づいています。
ふくむらさき + パープルスイートロード の中間みたいな
色合いだと、いいですね。
まったく勝手な話でもうしわけないです(笑)

なかなか、お目にかかる事の少ない、紫芋の存在が、
広く認知される日が来るのを期待。
そのうち、お芋って、みんな紫芋になるかも・・・
わかりませんけど。

焼いた2つの品種を並べてみましょう。

色合いといい、果肉の具合といい、
かなり違いがあります。

ふくむらさき は 親であるパープルスイートロードとは
ずいぶん違うものです。味も見た目も個性も。
これだから、焼き芋やめられまへん!(笑)

というわけで、
今回も、今までの食べ比べ品種とともに、
「焼き芋マップ」をつくってみました。

主観ですが、パープルスイートロードは、
品のある甘さの、少しほっくり寄りのお芋になります。
ふくむらさき は、4品種の塊のどのへんか?といったあたりでいうと、
ハロウィンほどしっとりではなく、
べにはるかと同程度の甘さで、
紅優甘よりほっくり という印象です。
図に表すのも、なかなか難しいものですね。
でも、消費者に そういう細かなニュアンスを伝えられると、
お買い物の参考になって、喜ばれそうですね。
しかし、傾向として、「激甘でしっとり」方面に、
市場は加熱しているような気もします。
ホクホクお芋、がんばって~。

オリジナルの 焼き芋食べ比べマップ、作ってみてください。
ちくわも、機会をみて、ツールを公開しようと思います。




関西スーパーの買収劇。ついに、決着・・・
ダイヤモンド・チェーンストアの記事に、オーケー 二宮涼太郎社長のコメント。
「大変残念」今後について「色々な選択肢がある中で真剣に検討したい」と。
やはり関スーの株価暴落。法的には株主が最上位でしょうが、ちくわは、「現場で働く人たち」と考えています。
株主「も」残念な話と捉えているという事かと思います。
「関西フードマーケット」に商号変更。別に変える必要ないでしょう(怒)何か変ですね。
良かったら、北野佑次氏の話、読み返していただけると嬉しいです。


3件のコメント

ぷれこ · 2022年10月31日 10:50

スーパーでむらさきさつまいもと書かれたさつまいもを購入し、詳しい品種を知りたくて、検索からこちらにたどり着きました。焼いもにしてみたらパープルスイートロードのようです。味の特徴、ほくほく感もこちらに書かれているとおりで確信がもてました。わたしもほくほく派です。ネットリ激甘さつまいもばかりもてはやされる昨今、ほくほく派の方に出会えたのがうれしくてコメントさせていただきました。わかりやすくて的確なブログですね。教えてくださってありがとうございました。

tikuwapop · 2023年1月4日 21:53

ピンバックの意味がわからず放置で申し訳ないです。

なんでも実際に買って食べてみないと、納得できませんよね。
品種名で販売してくれる所が増えると、育成に努力した人たちも報われるとおもいます。

「サツマイモ」について – ちくわPOPブログ · 2024年1月12日 06:12

[…] 焼き芋食べ比べⅢ「紫芋編」ふくむらさき・パープルスイートロード に tikuwapop より […]

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