焼き芋食べ比べ Ⅳ 

投稿者: tikuwapop 投稿日:

ピカピカの新品種「栗かぐや」 すずほっくり シルクスイート

ふたたび よたび
焼き芋です
太ります!(笑)
でも、体調いいんです。
お芋のおかげ?

寒い季節には、焼き芋で、ポカポカ温まりましょう!
サツマイモも熟成がすすんで、ちょうど食べごろ♡。

というわけで、今回は、
新品種「栗かぐや」をピックアップしました。

「栗かぐや」は、群馬県の種苗会社「カネコ種苗」の育成。
「栗かぐや」は商標名で、農水省に「HL1」の名で登録されました。
入手時点では、まだ登録されていない状態でした。
2023年春に市場に投入したといいますから、試験栽培を除き、初収穫を入手できたことになります。
登録年月日は、2023/12/25
登録おめでとうございます。

やや粉質ということなので、食べ比べの比較対象として、やや粉質の「すずほっくり」とともに、焼き芋にしてみます。

同時に、「シルクスイート」も比較。
なぜ「シルクスイート」?
「栗かぐや」と同じ、カネコ種苗の育成なので選んでみました。
安定した美味しさの、きめ細やかな「シルクスイート」。
どのくらい違いがあるのか、楽しみ。

品種の概要

今回のお芋の基礎知識を、おさらいしておきましょう。

農水省登録の品種名が「HL1]。
「栗かぐや」は登録商標です。
登録ホヤホヤの新品種。カネコ種苗の育成品種。
品種の特徴についてカネコ種苗のHPで紹介しています。一部転載。
●自社開発のオリジナル交雑品種第2弾です。
●イモの形状は紡錘形でそろいが良く、秀品率に優れます。
●肉質はホクホクとしたやや粉質で糖度はベニアズマより高い傾向にあります。
●肉色は鮮やかな黄色で、加熱後の緑変も少ないです。
●貯蔵性に優れ、長期貯蔵しても過度の粘質になりにくいです。
●焼芋はもちろん天ぷらや大学芋など総菜加工にも適します。

やや粉質で、ベニアズマより糖度が高いという事で、楽しみです。
第二弾とあります。第一弾が「シルクスイート」。


2019年登録の比較的新しいサツマイモ品種。
すずなりに実が成って、ホクホクした果肉なので、この名がついています。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の育成。

紡錘形で形の揃いが良いことも、大きな利点です。

自園地でも実際に栽培しましたが、あまり気を遣うことなく収穫まで漕ぎ着けました。
今回の試食は、自園地のもの。

農水省に品種登録されている名前は「HE306」。

カネコ種苗サツマイモ第一弾というのは、この「シルクスイート」のことです。
同じ会社からリリースされた2つのサツマイモ。違いを知りたくなりますよね。

この品種、すぐれた性質を持っていて、食べるたびに、ふーむ・・・と感じ入る、かなり美味しい品種です。個性が感じられるうえに、名前に恥じない、優れた性質。
これは、なかなかの強敵。

カネコ種苗のHPから転載
●肉質はしっとりとした粘質で舌ざわりが良く、甘みが強い品種です。
●イモの形状は紡錘形で揃いが良く、肌もなめらかで外観に優れます。
●皮色は鮮やかな濃赤紫色で貯蔵性にも優れます。

過去にも、食味感想をアップしていますが、何度食べても、品のある、シルキーな味わい。
冷めても、かなり美味しい。

独自の立ち位置で勝負できる品種です。
近年、店頭でも、「べにはるか」をしのぐ売上が今後期待できそうです。

というわけで、3品種の基礎知識をおさらいしてみて、新品種「栗かぐや」は、「ベニアズマ」や「すずほっくり」と、どの程度ホクホク具合が違うのか、甘さはどうなのかと 色々気になる部分が出てきました。

WEB上の、ほかの人の感想も参考になりますが、
まずは、自分で食べてみないと (^^)/
栗かぐや自体のコメントは、まだ少ないですね。

あらたな発見ができそうで、ワクワクしてきます。
もちろん、味わいだけでなく、その将来性も気になるところ。
生産する人にも、販売しやすい好適品種かどうかは、重要です。
では、「栗かぐや」は、どんな感じのサツマイモなのか。
印象をお伝えしていきます。

今回も、愛用の焼き芋壺を使います。

三鈴陶器 「いも太郎」です。三重県四日市の萬古焼。
焼き上がりが判りやすくて、おすすめです。

実食してみる

1時間45分焼いたものを、食べてみます。土鍋だからでしょうか、焼き時間は長い。
じっくり焼いて味わいたいところです。

1回目。「栗かぐや」。
栗の字が入っているので、ホックホクなのかなと思いましたが、ややシットリの感じです。
甘さに特徴があって、ストレートに甘いです。
砂糖的甘さ。
例えになるか判りませんが、リンゴでいうと、「奥州ロマン」を思い出しました。
参考にならないかもしれませんが、ストレートに甘いのです。

雑味は少なく、特段の香りの主張があるわけではないです。

じつは、ひたすら食べてしまって、写真撮るのを忘れました(笑)。
ほかに2品種も食べていますので、寝苦しかった・・・。

2回目。
じっくりと、2時間30分近く焼いてみます。
全体がプヨプヨして、うまく焼けているなと感じます。

「すずほっくり」と比べると、はっきり判るのですが、果肉が均一で、焼き上がりに、中心部と外周に大きな差がありません。
「すずほっくり」は、芯の部分が、はっきりとホクホクの肉質で、二重構造になります。
「栗かぐや」は、外側から中心部まで均一で、同じような果肉の印象です。

「栗かぐや」は、かなりの甘さで、やはり、前日に食べたのと同じ感想。
ストレートに、甘い。雑味なく、砂糖に近い甘さ。
ホクホク=粉質と思うかもしれませんが、この品種は、そういう果肉ではなかったです。
あくまで、しっとりして、すこしホックリ。
日本語のニュアンス 伝わるでしょうか。

「シルクスイート」は、しっとりとして、スジ感がなく、均一な美味しさに仕上がります。
甘さもしつこくなくて、しっとり包み込むような包容力があります。
何度食べても、感心することしきり。

「すずほっくり」は、焼きが甘いと全体がホクホクですが、しっかり焼けば中心部分がホクホクになる性質です。甘さもやんわりとして、

大人しい印象ですが、むしろ、甘さ控えめのほうが、サツマイモらしい美味しさを感じるものです。
両端のスジっぽさは、やはり少し気になりました。
なつかしいサツマイモの美味しさを体現するような、そんな品種です。

多様性と市場変化

販売状況を見ていて、感じることですが、「べにはるか」の動きが鈍くなってきています。
「べにはるか」の甘さは驚くほどですが、ここしばらく観察していると、嗜好がはっきり分かれてきているように思います。

ひとつは、味覚としての「甘さ」です。
甘さを重視すれば、「べにはるか」が選択肢の上位に来るでしょう。

しかし、「甘さ」だけでサツマイモを楽しんでいるわけでは、ありません。
香りや、果肉色、食感の違い・・・
さまざまな違いを感じ取って選ばれています。

今回の「栗かぐや」は、甘味は強いのですが、
「甘さの違い」が特徴的で、個性になっています。

「すずほっくり」は、それほど甘いというわけではありません。
どことなく「ベニアズマ」に似た、どこか懐かしい味わい。

「シルクスイート」は、どこまでも滑らかでシットリ。
品のある甘味で、美味しい。
リピートされる理由が判ります。

「ジャガイモ」に比べ、サツマイモは、品種の好みが出やすいです。
「安納芋」が人気になったり、
「べにはるか」は、2010年に登録された品種で、10年で天下を取ってしまいました。

「べにはるか」に続く甘い品種も出ていますが、
市場の嗜好も変化します。
サツマイモの「多様性」 楽しみたいですね。

体重計に乗るのが コワイ・・・
食べすぎには注意しましょう。


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