「イチゴ」について ①
みんな大好き! イチゴについてのお話。
「いちご」
消費額も多く、誰にでも好かれる人気者。
本格的に栽培されはじめて、まだ300年ほどしか経っていないのですが、
消費額も多く、とても重要なテーマ。
販売にかかわる人に、必要な知識として持ってもらいたい、という範囲のお話をしたいと思います。
知識は、枝葉も含め広く知ることで、少しでも自信をもって、食文化を広める一助になればと思う次第です。
①とありますが、②が出せるのはいつになるやら・・・
イチゴという植物
「果実的野菜」 と呼ばれる いちご
商店街を歩いていて、ふと「いちごを買いたいな!」と思ったら、果物屋さんを目指します。
子供たちに、りんご、みかん、いちごを見せると、
「ぜんぶ果物だー」と答えると思います。
普通の人にとっては、いちご=果物なのです。
しかし、学術的には異論があるようです。
園芸学では、木の実がつく木本性(もくほんせい)の植物の実を、果実だと考えています。
柿の樹についた実は、たしかに果実だな、と意見が共有できます。
一方、草本性(そうほんせい)の植物に成る実は、野菜と考えます。
草本性とは、簡単にいえば、草みたいな植物です。
いちごの成る様子は摘み取り園などで見たことがある人も多いと思います。
静岡県久野山の石垣いちご
ひょろりとして、緑色の葉と茎。たしかに草みたいな植物です。
「果実的野菜」と呼ぶのは、植物としては野菜なんだけど、実際には果物のように食べられているので、「果実的」ということになります。
同じような事情で、農水省の栽培・出荷統計では、メロンやスイカも「果実的野菜」に分類されています。実際に農水省の統計では野菜として集計されています。
ちなみに、総務省が実施している家計調査では、「果物」として統計が取られています。
いちごの 分類
植物学的分類は以下。
科:バラ科 Rosaceae
亜科:バラ亜科 Rosoideae
属:オランダイチゴ属 Fragaria
種:オランダイチゴ F. × ananassa
Ananassa「アナナスア」 は、パイナップル科アナナス属から名前が取られています。18世紀に偶然大きな実をつけたイチゴが、パイナップルに似た強い香りのものだったことが元になっています。
現在あるイチゴは、その誕生から300年も経っていない、じつは、まだ新しい種類です。
イチゴの栽培は、紀元前のローマ時代と推定されています。
世界各地に、野生イチゴとしてオランダイチゴ属は自生しています。
元々は2倍体(染色体数2n=14本)だったイチゴ。
4倍体、6倍体、8倍体が存在します。異種間の交雑時の環境変化が多様な倍体を生み出したのでしょうか。10倍体の報告もあるそうです。
2倍体のvesca(エゾヘビイチゴ)は、フランスやスペインでは、その強い香りが好まれ、普通のイチゴと区別して売られているそうです。行く機会があったら青果売り場を覗いてみてください。
私たちが現在商品作物として食べているのは、全てが8倍体の「オランダイチゴ」です。
日本の野生種は「シロバナノヘビイチゴ」と「ノウゴウイチゴ」。
ヘビイチゴと呼ばれるようになった理由は諸説ありますが、「ヘビが食べる」「近くにヘビが出る」といったところのようです。
小さいころ食べた記憶があります。無毒ですが、おいしいとはいえません。
子供ごころに、気味悪い名前だなと思ったものです。
なお、日本語のイチゴの語源は、「日本書紀」にある「イチビコ」が由来とされます。平安時代の清少納言作「枕草子」には、「覆盆子(いちご)」と表記されていて、すでに現在の読みになっています。
「偽果(ぎか)」とは? 断面をみてみる
イチゴの実と呼んでいるところは、ホントは実じゃないんだよ、と聞いたことがあるかもしれません。
では、イチゴの種はどこにある?という疑問がわいてきます。
図解してみます。
「花床(花托)」と呼ばれる部分が、じつは、イチゴの食用部分です。
お花の根元で、いろんなパーツを支えている部分。
「托」は、常用外の漢字ですが、手にのせたり、物を置く台の意味があります。坊さんの「托鉢」などで使われる漢字です。
断面で細い筋が外に向かって放射状に伸びています。
「維管束」は、根や葉からの栄養を運搬する、大切な管の集まり。
偽果=「ニセの果実」であることには違いないのですが、ずいぶんな言われようです。
ちなみに、リンゴやイチジクも、「偽果」です。
それでは、実はどこにあるのか?
果肉のまわりにある、あのツブツブが実です。
1個に、200~300の実が集まっていることになります。
痩せた果実と書いて、「痩果(そうか)」とも呼ばれます。
ちなみに、イチゴの花びらは5枚。
白やピンク色をしています。
ピンクだけでなく、赤い花もあるようですが、どうやら観賞用品種に多いようです。
イチゴは、バラ科の植物だと冒頭に申しました。
バラ科のくだもの類は、メジャー級が揃っています。
イチゴの起源と歴史
伝播と交雑
今あるイチゴは、オランダイチゴ属の2種類だけが交雑して、現在流通している、全てのイチゴが生み出されています。
さきほどの表で、赤文字で示した「チリイチゴ」と、「バージニアイチゴ」です。
名前の通り、発祥の地名がとられています。
15~16世紀にかけ、新大陸発見と呼ばれる侵略によって、これら北米、南米の植物は、各地へと伝わります。
イチゴの伝播図
チリイチゴ(F. chiloensis)がヨーロッパで知られたのが1617年に記録されています。
特に、チリイチゴのうちの亜種(F. chiloensis subsp. chiloensis)だけが、大きな実をつけ注目されましたが、栽培していたチリの原住民マプチェ族は、文字を持っていないことから、どうしてこの種が生まれたのかは記録がなく不明です。
一方、バージニアイチゴ(F. virginiana)は北米産の果実が大きな種類で、当時の西欧には無かった、とても美しいスカーレット色である点が好まれます。
こういう色です。
C:8% M:80% Y:81% K:0% やや黄色みのある赤です。
南米チリのイチゴ(チリイチゴ)と、北米のイチゴ(バージニアイチゴ)は、その後 流れ流れて、ヨーロッパで出会い、偶然を引き起こします。
ある日のこと。
大粒で香りの強い新種が、フランスで生まれました。
1766年植物学者デュセーヌ(デュシェーヌとも)(仏)著「イチゴの自然史」によれば、この新種の両親は、大きな実の南米チリの「チリイチゴ」と、北米産の「バージニアイチゴ」であるとしています。
チリイチゴの雌株と、バージニアイチゴを混植して果実を生産したとのことで、フランスのプルガステル(Plougastel)町で生まれたとされます。
現在もプルガステルはフランスのイチゴ特産地。
現在のイチゴの祖先とされる品種「Plougastel」は、今も残っています。
近年、元となったこの2種を、実際に交配する試みがされていますが、亜種も多いせいか、そんなに簡単には大果の新種は生まれないそうです。
再現性がないので、この説には謎が残る部分もありますが、現在の通説となっています。
遠い旅をして、離れたフランスの地で生まれた、現在の親となるイチゴ。
「オランダイチゴ」は、歴史の偶然が生み出したロマンあふれる恵みと考えましょう。
日本のイチゴ栽培 伝来と定着
オランダイチゴの伝来
日本に入ってきたのは、江戸時代末期(年代不明)オランダ人によって、長崎に最初に持ち込まれたと言われます。しかし、栽培されたという記録は残っていません。
文久年間(1861年から1864年)、幕府による「遣米・遣欧使節団」に同行した佐賀藩医・川崎道民が持ち帰ったイギリスとフランスおよび米国の種の中にパインイチゴの記述があり、最古の記録。
1871年(明治4年)、米国から青山試験場へ導入、そののち1874年 ヨーロッパから新宿内務省勧業寮農事修学所(のち内藤新宿試験場、駒場農学校、現在新宿御苑内)に持ち込まれますが、いずれも定着に至っていません。つまり、失敗したようです。
日本のイチゴ栽培の父と呼ばれる、福羽逸人(ふくば はやと)。
新宿内務省勧業寮に勤務していた時代に、イチゴ栽培に関わっていたそうで、再三試みるものの、失敗の連続だったようです。
福羽逸人と イチゴ品種「福羽(ふくば)」
イチゴ栽培の父 と呼ばれる、福羽逸人(ふくば はやと)氏について。
江戸末期に生まれ、
日本園芸界の始祖とも呼ばれ、園芸と造園に膨大な業績を残した人物。
新宿御苑で長く育成に関わり、民間への普及をすすめています。
また、日本初の温室ブドウ栽培やメロン栽培、洋ランのほか、ワインの国産化、オリーブオイルの試作などなど、非常に広い範囲の園芸に成果を残しています。
現在の造園・園芸作物への貢献は多大なものがあります。
話をイチゴにもどします。
福羽逸人の生み出した日本初のイチゴ品種は「福羽(ふくば)」。
フランス ビルモラン商会からイチゴ品種「ジェネラル・シャンジー」の種を入手し、その実生から選抜されています。
御苑内で大型のものを選抜し続け、結局7年以上もの年月を費やす必要があったようです。
御苑内の皇室献上品であり、この「福羽いちご」は、国内外の特別な客人にふるまわれました。
「御苑イチゴ」「御料イチゴ」と呼ばれていましたが、のち1919年(大正8年)から一般の栽培が許可されました。
その後。
「福羽」は、一般栽培の解放後、とくに石垣栽培を中心に、約70年間主要品種として栽培されます。
優れた品質であることから、その後の育種親としても用いられ、近縁に『女峰』があります。
『とちおとめ』や『あまおう』『とよのか』『さちのか』といった、主要品種も、「福羽」が育種親のルーツですので、「福羽」がなければ、現在のイチゴ栽培は違ったものになっていたでしょう。
イチゴ品種育成系譜図/農研機構
https://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/evotree/tree_view/strawberry/index.html
親系統がクリックすることで判る面白いサイトです。
ここでも、福羽イチゴは、国内生まれのイチゴ品種に、ほぼ全て絡んでいることがわかります。
TOKIO『ザ!鉄腕!DASH!!』では、御苑から福羽いちご苗を分け与えられて増殖に成功しています。
酸味が心地よいイチゴだそうです。
https://www.ntv.co.jp/dash/articles/65rt0awqf4wj3jw00d.html
また、静岡県「常吉(つねきち)いちご園」では、石垣栽培で福羽イチゴが保存栽培されています。
日本国内での本格的な栽培は、戦後の経済発展とともに始まります。
昭和の後半には、ケーキのデコレーションや氷菓、ジャムとして、とても身近なものになりました。
イチゴ栽培 世界と日本
世界のいちご栽培
生産量上位20か国を、世界地図に落としてみます。
国際連合食糧農業機関統計データベースの2021年データを元に、表と地図に落としてみます。
日本は、11番目に多く栽培している国です。
意外です。
比較的冷涼・温和な気候が栽培に向いています。
熱帯を除く、似たような緯度の場所で多く栽培されています。
世界のイチゴ栽培の主流は「露地栽培」です。
一方、日本では促成栽培を中心に、多様な作型があるのが特徴といえます。
多くは、大型のハウスを備え、高設ベンチや冷房・暖房・電照など、様々なコストがかかる反面、高品質なイチゴ栽培を目指す栽培方法になっています。
ただ、単位面積あたりの収量は、地中海性気候の他国に及ばないそうです。
要は、「量より質を重視する」という特殊な経営になっていると言えます。
日本のいちご栽培
一方、日本国内のイチゴ出荷の多い都道府県を見てみます。
関東周辺の太平洋側と、九州で、約7割を占めています。
気温が温暖なほか、日射量も、イチゴ栽培には重要な要素です。
年末から初夏までが、促成栽培イチゴ出荷のメイン。
冬でも日射量の多い地域がそもそも有利という事ができます。
イチゴの栽培面積と出荷量の推移
「福羽イチゴ」誕生から約100年 出荷量や栽培面積は、どう変わったのかを見てみます。
1973年~2021年の、農水省作物統計。
量的には、昭和63年がピークとなっています。
198,700t。
令和3年の出荷量は、152,300tとなっています。
しかし、栽培している面積は、はるかに減少しています。
昭和48年では13,600haでしたが、令和3年では、4,930haと、半分以下。大幅に減っています。
実は、単位面積あたりの生産性は上昇しています。
1973年時点で12.5t/haだった収穫量は、30.8t/ haと、倍以上に増えています。
栽培技術の進歩は、めざましいものがあります。
露地から施設栽培へ。量より質へ。
秀品率も上がっているのでしょう。
国産いちごの消費量とくだもの比較
家計調査をもとに、いちごの消費支出を調べてみました。
主なくだものの2000年~2022年 2人以上の世帯の支出です。
赤がイチゴです。
総務省 1世帯当たり年間の品目別支出金額
年間通じて、安定して供給されているバナナが最も多くなっています。
りんご、みかんに次いで、イチゴが登場。上位に食い込んでいます。
みかん、メロンや梨は、ダウントレンドにあるようです。
おもなくだものを、100gあたりの支出金額で見てみます。
令和4年 総務省データより制作
比較的軽量な果物なので、有利なイチゴが最も支出が多くなっています。
ぶどうや桃、キウイの100gあたり支出は多いようです。
イチゴの品種と育成
日本各地に、イチゴ産地が分布していますが、地域よって、急に主力品種が変化したりします。
まずは、育種って、どんな組織や個人がおこなっているか、農水省に品種届をして受理された、登録品種をまとめてみます。
なお、農水省のデータでは、品種の出願を受理され登録に至った品種は307件。
また、2020年以降に出願され、まだ登録されていない件数は58件あります。今後も増えていくことでしょう。(202312時点)
世界でもまれな、多くのイチゴ品種を生み出している国だそうです。
イチゴ品種の育成者
では、イチゴの育成者って、どんな人たちなのでしょう。
農水省に品種登録されているものを調べてみました。
農研機構などの国家機関の育種が多いのかと思っていましたが、都道府県の育成・登録が最も多くなっています。
次いで、企業や大学など。
個人の育種登録がとても多く、興味深いです。
実は、ことイチゴに関して、この状況は、今始まった話ではないのです。
戦前~戦後以降、ことイチゴに関しては、「国策」よりも、都府県や民間の育成のほうが、盛んでした。
都道府県で、品種登録されているものを、カウントしてみます。
複数にわたるものは、ダブルカウントしています。
先ほど、都道府県別の、イチゴ出荷量順では、①栃木 ②福岡 ③熊本 ④愛知 ⑤長崎 ⑥静岡 ⑦茨城 ⑧佐賀 ⑨千葉となっていました。
育種の点でも、出荷量と一致するかな、と想像したのですが、栃木、千葉、静岡のほか、徳島県も多くを生み出しています。
育種の数と、栽培が盛んかどうかは、必ずしも一致しないようです。
ひとつの理由として、育成権が切れた「章姫」「さちのか」「紅ほっぺ」といったところも、まだ現役として頑張っていることがあげられます。
また、栃木i37号(とちあいか)のように、品種登録以前に、すでに市場投入していて、栃木県産の過半数が栃木i37号に転換がすすんでいる例もあります(2023末時点)。
品種別の収穫量データは公開されていないので不明ですが、都道府県を挙げての特産品にしようという思惑が強く読み取れるデータです。
なお、かなりの件数がある、イチゴの個人育種について。
品種改良は、長い長い年月をかけて選抜を繰り返すわりに、コスト回収は難しいと言われます。
2022年4月、種苗法が改正・施行されました。
しかし、まだまだ育成者の権利を守る、という意味では各方面から異論があります。
許諾が必要であっても、許諾なく増殖する行為が後を絶たないのが実情です。
品種権利者は、許諾した者は判るのですが、許諾していない人物は特定できません。
ザル法になる原因のひとつになっています。
また、イチゴの場合、苗からランナーで手軽に増殖できてしまいます。
懲役や罰金などの刑罰があっても、メルカリ転売や海外持ち出しリスクは常に存在します。
交配して種子を採種し、数千~万単位の育苗から選抜。
5~7年ほどの期間がかかるようです。
気の遠くなるような話です。
努力した者が報われる・・・という日が来るよう望みたいですね。
ちなみに、イチゴ育種は、昭和の頃から盛んにおこなわれ、都府県の農業試験場や個人育種が多かったようで、今につながっている話です。
とはいえ、これほど多くの品種数を生み出して、実際の栽培にどれだけ使われるのか、という点については、少々疑問も残ります。
なお、海外で広く栽培される国産品種に、静岡市 荻原章弘氏育成の「章姫」、愛媛県宇和島市 西田朝美氏育成の「レッドパール」があります。
世界に広まっているからといって、素直に喜んではいられません。
勝手に流出されてしまったのです。
色々言われますが、少なくとも育成した者への敬意が感じられないというのは、お仕置きが必要な話です。
「章姫」を育成した、荻原氏の子息、萩原和弘氏の苦悩がわかる動画。
フジ系 テレビ静岡 第23回農業ジャーナリスト賞特別賞
ニコ動 「章姫 ~父が残したイチゴ~」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm3835628
ブリーダーの地位がいかに不安定なのかが判ります。
ごく私的な 注目品種紹介
農水省に登録のあるイチゴ品種は、300を超す数があります。
また、品種登録されていなくても、広域で流通している品種もあります。
また、イチゴは、個人育種の比較的多い作物です。
全国に広めたい!というよりも、個人や集落、一部の農家グループなどで、特産化を狙って独占的な販売を目指している事例も多いです。
ごく狭い範囲でのみ市場に出回って、スーパーマーケットなどでは流通しないものも多いようです。
ですので、比較的流通量がありそうな中から、注目品種を選んでみました。
ずいぶん迷いました。
いわば、実用品種です。
製菓向けではなく、生食用としました。
篤農家が栽培したかどうかではなく、品種の特性をみて選んでみました。
また、育成者や産地を守る、という将来性も加味しています。
また、流通に向いた輸送性も重要な項目と考えました。
イチゴは、品種更新も早く、数年で転換することもありそうですので、参考程度に見て下さい。
勝手に選ぶ 注目のイチゴ品種(202401)
とちあいか/栃木i37号(栃木県)
外観が申し分なく、断面も美しい大型品種。サクッとした食感と重厚な味わい。食味極上。
きらぴ香(静岡県)
紅ほっぺの近親交配、累計28万株から選抜。大果で光沢のある外観。堅めで強い甘味と酸味。
ベリーポップすず/MYAGMIE-1(三好アグリテック)
重量感がある大果、コントラストの明瞭な断面。民間初のF1種子イチゴ品種。酸味は少なく南国フルーツに似た独特の香り。
よつぼし
「三重母本1号」と香川「A8S4-147」の交配F1品種で三重県、香川県、千葉県と農研機構が共同開発。種子繁殖型品種で優良苗を確実に得られる。四季成りイチゴ。甘酸が強く濃厚な良食味。
F1種子いちごの解説については、以下を参照ください。
種子繁殖型イチゴ研究会 「F1品種の原理と仕組み」
https://seedstrawberry.com/f1genri.html
親株からランナーを採る必要がなく、育苗期間を短くできます。また、病害虫対策や品質の安定にも寄与します。なにより、違法な海外流出を防いで、各方面の利益を守ることができます。
大手種苗会社サカタのタネも、F1種子いちごに2023年から本格参入。
品質が安定するだけでなく、育成権者利益の保護の点からも、今後注目されていくでしょう。
いちご産業界にとって、大きなイノベーションになると期待しています。
まだ伝えきれない部分があります。
追って第2回目でまとめたいと思います。鋭意作業中。
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