すいかやメロンは野菜なのか という疑問

投稿者: tikuwapop 投稿日:

秋らしい季節になってきました。
売り場では、
けっこう商品群が入れ替わってきています。
みなさんの地域でも
秋の兆しが感じられる商品、
出てきたことでしょうね。

「ぎんなん」 って、野菜か?果物か?
どっちだと思いますか?
直売所で働く数人に投げかけてみました。
半数以上の人は正解。
すこし安心。
普通の感覚に近い答えでもあります。

しかし、この境界って、どこにあるのか?
と考え始めると、なかなか悩ましいです。
たとえば、くるみ。
すいかは、果物コーナーで売ってるし?
いちごって、野菜らしいですよ?

というようなグレーなあたりを、
その理由も含めて少し掘ってみます。
ちなみに、「ぎんなん」は「果物」。
よろしくお付き合いください。




なんか変だなと違和感を感じている元は
国の機関の分類でした。

果物に分類している野菜ではないかと
「変だな」と思うものは少ないので
果物なのに 野菜に分類している!
という事に照準を合わせてお話します。

国の機関はどう考えているのか?
すこし調べてみましょう。
「果樹」

「果樹」とは 以下 。
「農林水産省では、園芸作物の生産振興を効果的に推進するため、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。
従って、一般的にはくだものとは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、くだものと呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物などは野菜として取り扱っています。

「メロン」「イチゴ」「スイカ」 は野菜に分類しています。
これは、庶民感覚とはズレていますね。

一年生草本(いちねんせいそうほん)植物だからと理由が付されています。
一年生草本とは、一年12か月で発芽・結実・種をのこして枯れるもの。

生産量や栽培面積など、統計的に調査するための前提として分類したものです。
本文をバサバサと削っていくと、要は
「一年生」だから果物じゃない、というのが理由。

日本の気候では一年生植物ですが、
本来は「多年生」という植物もあります。
越冬できない植物なんですね。食べ物では、トマトが典型。
プランターで数年育て続けている人もいるようです。
プランターのように、簡単にあったかい所に移動できないと、
日本では越冬できないんです。
普通は、そこまで努力しませんよね。

メロンやいちご、スイカは、やはり一年草ということで、
ひとつの「統計的な始末をつけた」 という話です。

では、省庁ごとにどう見ているか。
品目別にちゃんと一覧があります。
https://www.alic.go.jp/content/000093223.pdf


厚労省は「いちご」「メロン」「すいか」は
「果物類」としていて、見解が違います。
この方が、普通の肌感覚に近いですね。

この違和感は、植物のルーツをたどると、
すこし紐解けてくるように思います。
もう少しお付き合いください。
「いちご」「メロン」「すいか」掘り下げます。
ほかのブログと違って、ある程度掘り下げたら、次回持ち越さないという趣旨でやっております。

「いちご」「メロン」「すいか」のうち、
まずは、
「いちご」

バラ科 バラ亜目 オランダイチゴ属
亜目は、必要に応じ目と科の間に設けられるサブ分類なんですよ。
ちなみにストロベリーと呼ばれますが、
植物学的には、ベリーではないです。

バラというと、花をイメージするので、
観賞用のイメージですが、
実は、バラ科には、桃、梅、りんご、梨も
含まれています。
ずいぶん範囲が広いんですねぇ。

この分類の中では、いちごは ひどく浮いています。
樹が小さいんです。
こんな感じ・・・

ひょろひょろですね。ほかの桃や梅は
「樹木」って感じですから。
だから仕分けされちゃったんですかね。

いちご の事を 農水省では
「果実的野菜」と説明することもあります。
分けたくなるのも、すこし判りますよ。
こども向けでしょうか、農水省の
「いちごの あれこれ」実の説明がされています。
つぶつぶ は、種じゃない。集合果。
参考になさってください。ためになるわー。
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1912/spe1_02.html

「メロン」「すいか」
にうつります。
既にお気づきでしょうか。
この2つには共通点があります。

そう、ウリの仲間。
こんな風になります。


じつに多彩。きゅうりとメロンとは近い存在。

似ているようで、まぁ、そういわれれば、
たしかに「きゅうり」は、野菜ですよね。
ということは、
メロン=野菜
に近い存在である。
と、植物学的には言えます。

長々とやってきましたが、
甘いから果物 というのは庶民感覚。
ルーツをたどると、野菜の仲間。

ここでは、行政的な統計手法として
「植物学的見地から分類することにしました」
ということでしょうか。
APG植物分類体系というやつです。
DNAレベルでの植物分類法ですね。
もうすこし踏み込んで、クロージングしたいと思います。
モヤモヤが減ると思います。




賢明な皆様は、
もうすでにお気づきですよね。

①バラ科「イチゴ」 と
②ウリ科「メロン」「すいか」
とは、判断基準を無理やり合わせてない?

①バラ科いちごは、すでに見たとおり、
梅や桃やりんご、さくらんぼと
同じバラ科の植物で、
違いは、木が貧弱で1年限りという点。
「果実的野菜」と言われても、庶民は納得しない。

②は、科が同じでも、
1年限りという点をとらえています。

②の原則に立つと、メロンは野菜。
庶民の意見を聞くと、
きゅうりは、果物になります。シロウリも。
でも、メロンの件は、庶民は納得できない。

「君たち、何もしらないのね」
と言われているような気がしてくるんです。
でも、ちくわは、メロンもすいかも、果物と信じています。

不毛な議論とは、
こういうものかもしれません。
それだけ、分類は難しいということです(そこは納得)。
揚げ足とりと非難される前に撤退します。

農業関係の「単語」は、
本当にむつかしい。漢字多いし・・(笑)読めないです。
少しづつ理解していくしかないですね。
実生(みしょう)を「じっせい」と長いこと
読んでいたし・・・はずかし~。

切り替えて未来のことを考えるよ!




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